二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D・Gray-man 〜涙のメロディ〜 プロローグ更新! ( No.81 )
- 日時: 2012/08/19 16:15
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
第1粒 「ユメをみたあとで」
「 かぁごめかごめ
籠の中の鳥は
いついつ出会う
夜明けの晩に
鶴と亀がすぅべったぁ 」
「 後ろの正面 だあれ? 」
上から声がした。思わず振り向くと、そこにいたのは———
「だっけ?」
「もう、リナリー! 驚かせないでよ!」
黒のツインテールの美少女、リナリー。あたしの親友がそこに立っていた。あたしは寝ている体を起こして、
「ていうかリナリー、『かごめかごめ』 知ってるの?」
「知ってるっていうか、覚えた。が正しいかな。だって・・・・・・」
リナリーがチラリとあたしを見る。そしてクスクスと笑いながら、
「昔から、サクラがずっと歌ってるんだもん」
「えっ、マジ!?」
そんなに歌ってるなんて気づかなかった。
「でも、歌詞ってけっこうたくさんあるんだよねぇ〜。『かごめかごめ』 って」
「えっ、そうなの?」
「うん。あたしが知っている中じゃあ、」
今度はソプラノトーンで歌ってみよっかな。
「 籠目籠目
加護の中の鳥居は
いついつ出やる
夜明けの番人
つるっと亀が滑った
後ろの少年 だあれ? 」
ふうっ、と一息吐く。
「ってね。まあ、こんな歌詞もあるんだよ」
「へぇーー」
あ、リナリーが関心してる。この顔は貴重かもしれない。あとでコムイに自慢してやろうっと!
「・・・・・・ねぇ、サクラ。もしかしてまた、”梦“見たの?」
「え、なんで?」
「だってほら、右目を押さえてる」
「あっ」
どうもあたしは”梦“を見た後は右目を押さえるクセがある、らしい。
”梦(ユメ)“を見る、っていうのは、普通の”夢“じゃない。”未来を見る“。いわゆる”予知“ってやつかな。
寝ているときもだけど、起きているときも”見える“。ま、ときどきなんだけどね。右目で”見る“んだ。
「それで? 何を見たの?」
「えっとぉ〜〜」
一瞬、言おうか迷った。なぜだか分からないけど。
でも、言う。
だってリナリーは
———あたしの”親友“だから。
「あの」
「おぉ〜い、リナリーィ! サクラーァ! ちょっと手伝ってくれないかー?」
ツンツン頭のリーバーが呼んでる。リーバーは科学班の班長だから、コムイにこき使われて大変そーなんだよなぁ。・・・・・・しょうがない、手伝いに行ってやるか。
「じゃあ、サクラ、あとで話してね」
「りょーかい」
そう言ってあたしとリナリーはリーバーの方へと走り出す。
話すよ、リナリー。
あの、白の、
少年のことを。
〆 6月23日