二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 最初で……第6話 苦笑い ( No.10 )
- 日時: 2012/06/11 23:35
- 名前: 杞憂 (ID: 4dKRj7K1)
あーあ
一くん何処行っちゃったんだろ。
全く困っちゃうよね、先々行っちゃってさ。
探すこっちの身にもなってよ。
段々とめんどくさい……
という気持ちか浮き彫りになっていく。
一くんもう子供じゃないんだし
一人で屯所にぐらい戻って来れるよね。
先に帰っちゃおうかな?
そんなことを考えながら
狭い路地を歩いていると
奥の開けた大通りから
赤い液体が飛び上がった。
僕の左右には家が並んでいて
ここから大路が見える範囲は
かぎられてはいたけれど、
確かにそれはみてとれた。
僕はさっきまでの憂鬱感を忘れ
足早に目的の場所まで向かう。
あの血は、一くんがやったものなのか、
それとも羅刹がやったものなのか、
はたまたただの小競すき、真相を確かめるべく
僕は家の陰に隠れて様子を伺った。
そこには
道中姿の人。
握っている刀や纏っている服に
鮮血が付着している。
そして横たわる狂った部下達。
彼らを斬った本人であろうその人の
菅笠から覗く軽く結われた長い髪は…
……いや、
きっと気のせいだ。
だってまばたきをしてから僕の目に映ったのは
紛れもない小麦色の髪だった。
「怖くないよ。」
凛とした声。
男にしては、高すぎる声。
後ろ姿は男に見えるが、
震える少女を安心させるように
抱き締めて、背中を擦る姿は
幼子をあやす母親のようだった。
僕は足音も息も殺し、彼女の背後へ迫った。
刀を静かに抜きながら刀をくるりと回し、
峰を彼女に向けた。
試してみたかったんだ。
失敗作を殺した君を
「すぐ終わるから…」
…何が起きたのかわからなかった。
ただ刀を持っていたはずの手は
ビリビリ痺れて、
僕の手から刀は消えていた。
すると鋭い刃が僕を殺そうと
迫ってきた。
反射的に避けはしたが、
首に紅い線が一筋走った。
あとから来たチクリとした痛み。
痛み具合から察して
傷口はあまり深くはないようだ。
「何の用だ。」
さっきまでの声とは全く違う
低くて、妙に冷めたその声は
僕の鼓膜を揺らす。
スッと僕の首もとに構えられた刀。
よくみると峰がない。
「………!」
そういえば
風の噂で聞いたことがある。
"血染めの化け物"
峰のない刀を携え、たちまちその場を
血色の世界に変える
冷血非道の悪人。
「………君、もしかして"血染めの化け物"
だったりする?」
こんな状況でそんなことを聞く僕は
馬鹿なのかもしれない。
だけど聞かずにはいられなかったんだ。
君がまるで人形のように
光りのない眼をしていたから。
あとがき−ーーー
大分長くなってしまいました。
さて今日から一週間の始まり、
学校の始まりです。(ToT)
私はハマると病的なレベルで
集中してしまうので
きっと宿題そっちのけで
小説を書くことでしょう。(笑
次回からその他の面子が出てきます。
ここまで読んでくださった皆さん。
ありがとうございました。
シリアスな話ですが
ホッとするほのぼの話や
思わず微笑んでしまうような話など
色々書きたいと思っています(*^^*)