二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 最初で……第7話 人間臭さ ( No.11 )
- 日時: 2012/06/11 23:36
- 名前: 杞憂 (ID: CMSJHimU)
血染めの化け物…
こんな所まで広がっていたのは正直驚きだった。
もしかしたら千鶴も
この醜い名だったら
知っているのかもしれない。
真の名ではなく、
異名の方がこの世に馴染んでる。
そう思うと面白可笑しく思えてきた。
口角が上がり、微かに笑ったあたしの口は
言葉を紡ぐ。
「そうだね。お前の言う通り
あたしは血染めの化け物だ」
「ふぅん……」
…お前から聞いてきたくせに
なんだその反応は
若干イラッとした。
普通この名を聞いたら
大体の人間は恐怖に顔を歪める。
が、
この浅葱色の羽織を纏った男は
飄々としていて実に不愉快。
……ん?
浅葱色の羽織…?
刀はこの男の首もとに構えたままで
視線を後ろにやる。
今、それはすっかり人の色に戻って入るが、
千鶴を襲った羅刹が纏っている羽織は
この男と同じ浅葱色。
仲間……か?
「お前……羅刹?」
あたしがそう言うと
飄々としていたその男の表情は
一変した。
「何で君はそれを知っているのかな?」
笑っている。
とてもにこやかに。
だけどその笑顔は殺気を放っていた。
図星か………?
まぁもしそうじゃなくとも
あたしに向けられた殺気は本物。
殺す理由ができた。
すると後ろから風が唸る音。
咄嗟に刀を握りしめ、来るであろう
衝撃を待つ。
キィィ…ン
雪降る京に木霊する金属音。
重い一撃。
「……ッ!」
衝撃に耐えられずよろけてしまった。
手が若干の痺れを訴える。
「……!」
あたしに襲いかかってきた襟巻きをした男は
間合いをとって、あたしの顔を見るなり
驚きの表情を浮かべた。
「……総司、女相手に何をやっている?」
あたしの背後に立っている
あの男に声をかけながらも、
けっして隙を見せない。
久しぶりに
ちゃんと骨のある相手を殺せるかも
そんなことを嬉々として考えていると
総司と呼ばれた男が口を開く。
「僕もその言葉そっくりそのまま一くんに
かえすよ。」
そして彼は地面に横たわる刀を拾い上げ
その切っ先を千鶴に向けた。
まさかあの一くんの居合いを止めるなんてね
僕は壁に寄っ掛かり呑気に寝息をたてる
男に身をやつした少女に
刀を向けた。
きっとこの子は君の弱点だよね。
面と向かっても勝てるかどうかわらないから
卑怯だけどこの方法を使うよ……
彼女の表情は一変した。
さっきまでの人工的な表情は何処にもなく
隠れていた彼女の感情が浮き彫りになった。
あとがき−ーーー
気づいたらもう7時です(ToT)
まだ書きたかったなぁ…(;´д`)
次回は多分
血染めの化け物の名前が
わかると思います。
節目節目に短い番外編を入れる予定です。
まだまだ始まったばかりですが、
こんな話が読みたいとか
この小説に関する質問とかあったりする方は
コメントしてみてください(*^^*)
出来る限りお答えしたいと思っていますm(__)m