二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 最初で……第16話 染まる雪 ( No.46 )
- 日時: 2012/06/26 23:35
- 名前: 杞憂 (ID: xcAsoLj9)
沈黙が満ちた部屋
美伽ちゃんは壁に背を預けてポケーっと
空中を眺めていた。
「ねぇ。」
と声をかけると顔をこっちに向けないまま
「なんですか。」
と返事をした。
「今、何考えてたの?」
話を進めても、彼女は空中を見つめたままで全く動かない。
「何も。」
素っ気なく答えた彼女は
抱えていた膝の上に頬を置く。
半場上目遣いになりながら僕を見た茶色い目は
薄く光りを宿しているだけで何も写さない。
彼女の紅梅色の唇が動いた。
「綱道さん、どこにいるんでしょうかね。」
心配です。と独り言のように
言った彼女の表情は
ピクリとも動かず、声もまるで素人の役者が
台詞を読むような、固まったものだった。
*
尋問の時、彼女から聞いた話によると
昔、自分は綱道さんの助手をしていたという。
風の噂で綱道さんが京にいると聞いて
ここに足を運んだそうだ。
羅刹のことについては
助手時代、綱道さんから聞いたらしい。
それを聞いた土方さんたちは
険しい顔をしたけれど、
気にしていないのか、
はたまた気づいていないのか
表情を変えることなく淡々と述べ続けた。
血染めの化け物。
そう言われるまで、
人の断末魔と血を浴び続けた彼女は
感情を表現するという機能が、
削げ落ちてしまったのかと一瞬思った。
だけど、
彼女は、一緒にいた女の子のことになると、
人が変わったかのように
人間臭く、柔らかい物腰になるのだ。
しばらく話を聞いたあと、何を思ったのか
近藤さんが幹部の紹介をしはじめた。
土方さんが止めに入るまでの間、
ご丁寧に紹介する近藤さんに、微笑めながら
軽く、あいずちを打っていた。
その姿は
動くことを命じられたカラクリのように、
ただそこに表情を浮かべるだけだった。
優しい近藤さんが美伽ちゃんの手首の縄を
ほどいた後、
次はあの女の子を尋問する事になったため
美伽ちゃんの代わりに、
あの子があの部屋に向かった。
彼女の弱点であろう彼女のことを
話題に出すと
変わらない表情を珍しく歪ませていた。
ふと美伽ちゃんに目をやると
障子を少しだけ開けて外を眺めていた。
今はもう、夕刻だが、今朝降った雪が
まだ残っていて、ただでさえ冷たい空気を
より濃いものにしていた。
後ろ姿でよくは見えないが彼女の頬は
外の冷たい空気によって
ほんのり赤く染まっている。
その上から、ほんの少し、
雲の合間から差す太陽の、また違う赤が被さり
どこか儚げに彼女を色どった。
はっとするほど綺麗な顔を
静かに緩ませている彼女は
見たことがない程、
穏やかな表情を浮かべていた。
あとがきーーーー
疲れました
眠いです(ToT)
だけど宿題をしなければそろそろガチで
夏休みの補習が、待っていそうです(*_*)
特に数学がヤバいです(--;)
今から、ありもしないヤル気スイッチを
発動させたいと思っています(⌒0⌒)/~~