二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜オリキャラ募集中&800越え ( No.128 )
- 日時: 2012/09/15 09:03
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
- 参照: http://www3.atpaint.jp/kakiko/src/kakiko1346139135706.png/img/
3章 。○母親○。
一話 「無味」
「まじで戦争って感じだな。」
「鎧に剣だもんねー……。」
俺と友撫はそういいあう。あ、いつもみたいに俺たちだけダベってるんじゃなくて、みんなしてね!
「なんか、ほんとにゲームの世界だよー……。」
「じゃあ、防御力ってどんくらい?」
信介、それはちがうだろ。そして浜野先輩、その信介のセリフにのらなくてかまいませんから。ていうか、のらないでください。
「そんなこといってる場合か。」
ありがとうございます、そこでまじめなご回答。
つか、先輩から来たメール読んで知ったけど、あれだったんだな。えっと、あの、あれ……そう! ムゲン牢獄だっけ? あれから脱獄したやつがいるんだってな。なんか、名まえはわすれた。
へんな名まえだったし← でも、まじで。俺らの時代にはいない感じの名まえだった。
「ていうか、ジャンヌ・ダルクって、そんなに強かったのかよ。俺、教科書で見たおぼえ、まったくねえぞ。」
いや、本気で。歴史の教科書のってたっけ? だれか教えてww
「むっ、きさまたち、なに者だ!」
「げっ。」
ふりかえると案の定。カッケー鎧を身につけたおっちゃんがおる。ていうか、なに。さすがイナGO(イナクロ)の世界っていったほうがいいの? フランス語が通じちゃう系? すげ。さすが超次元。
「あ、えっと……。」
俺らの服装は、この時代にあわせてるけど(俺はもちろん男用☆)、やっぱりあやしいといえばあやしいもんなあ。って、こんなのんき〜な感じにいってる場合じゃねえ。俺もその「あやしいひと」に入ってるんだった;;
「おれたちは、争いから逃げていたら、道がわからなくなってしまって……。」
「おまえたち、異国の者か!」
お、いたいところつかれてしもたわ。
「まさか、敵国のスパイか!?」
「ちがいます! おれたちは、スパイなんかじゃありません!」
オーイエス。って、心の中でいってても、なんにもなんねえけど。
俺はちらっと輝を見た。うー、おぼえてもらえてないんだろうなー、まだ。
輝もこっちを見て、思いっきり目があった。やばいと思い、バッと顔を反対方向にする。や、やば。超ビビッた。
「どうしたんですか。」
「ジャンヌ!」
「あのひとが、ジャンヌ・ダルク……?」
あらわれたのは、たしかに鎧を着た女のひと……だったんだけど、なんか、こう……鎧の仮装しただけの、ふつうの女子って感じ。メガネッ子だし、なんかたよりない感じだし。
「ほんとにジャンヌ・ダルク?」
「なんか、戦う乙女って感じじゃないな。」
「メガネッ子だし。」
みなさん、口々に失礼なことを……。
「ちーっす! あたし、菜花黄名子! よろしくね。」
黄名子が、ジャンヌに手をさしのべた。うん、あくしゅしたかったんだよね。ハンドシェイクしたかったんだよね。でもね、それね、この場でやったら、まずいと思うんだ。
「きさま、なにをする!」
「おうわっ。もー、オオゲサなんだから。」
黄名子、おまえが悪いぞ、しょうじきのところ。
「きさまらは、いったいなに者だ?」
「おれたちは、その……。」
「しょうじきなこと、いえねえんだよな?」
「うん、そうだね。ふしぎなことは、悪魔がおこしたといわれていた時代だし……しょうじきにはいえないかな。」
でっすよねー……どう信じてもらえばいいのやら。
「どうした、こたえろ!」
「えっと、それは……。」
「んー……。」
ジャンヌはきゅうに、顔をしかめてメガネのフレームの部分を持ちながら、神童先輩と霧野先輩の近くにいく。つか、顔近い、顔近い。
「なにやってるんだろ。」
「メガネがあってないみたいですね。」
神童先輩と霧野先輩を交互に見たあと、霧野先輩のほうをむいた。
「こたえてください。」
「いやいや、きく相手まちがってますって。」
さっきいったのは神童先輩ですって。
「えっと、その……。」
「ジャンヌ、こいつら、やはりスパイだ。どうする? ここで殺ってしまうか。」
「えっと、それは、えっと……。」
兵に質問されたジャンヌは、きゅうにまよいはじめた。お、おい、兵さんや。じみにこわいよ。
「あっ、そうだ。これ、どうぞ。」
ジャンヌは(どこからだしたかはわからんが)ふくろをとりだし、その中から、おかしらしきものをとりだした。
「えっ、お、おれに?」
「はい。」
ジャンヌにおかしをさしだされたのは、またもやあってるんだろうか? の霧野先輩。霧野先輩はとまどいながらもおかしをもらい、口にほうりこむ。
ゴリゴリゴリ
えっ、ゴリゴリっていう、いやな音が、霧野先輩の口からきこえるんですけど。つか、なに。ゴリゴリって音がする食いものなわけ?
「んっ、お、おいしい……。」
「よかったあ。」
「んんー……っ。」
黄名子がかけより、ふくろを見つめていると、
「あなたも、食べる?」
「うん。」
「どうぞ。」
なんかわかんないけど、こっからは、おかし分け与えタイムになった。みんなして、うまいうまいっていいながら、おかし食ってる。
「お兄も食べなよ!」
友撫はいつの間におかしもらってきたんだ。
「おお、もらう、もらう。俺も食いたかった。」
俺はおかしを口にほうりこむ。う、うまい。これは、これは、ただのあめだ……。
「なに味?」
「無味。」
「あー、味無しね。かわいそうに☆」
「かわいそうと思ってないだろ。」
「輝さんはなに味だろー。ねー、輝さーん。」
「なに、えっと……友撫ちゃん?」
「(いいかげんおぼえろや。)なに味?」
「メロン味だよ。」
へー、メロン味ねえ。メロン、メロン、メロン……メロンだと!? 俺の大好きな味だ! くそ、なぜ輝が食えて、俺が食えないのだ! くそう。俺は無の味だったのに!
「メロン味……メロン……?」
輝の顔が、しだいにこわばっていった。
ん? どうしたのだ、輝は?