二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.175 )
- 日時: 2012/10/17 20:27
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
- 参照: http://www.nhk.or.jp/ncon/
四話 「調子くるいまくり」
俺がついたころには、天馬たちが、なんか、大砲っぽいのをおしてるところだった。
「おっ、風花。」
「水鳥先輩、なにやってるんですか、これ?」
「大砲がハマっちまったから、おしだしたいんだとよ。なんとも強情なことに、このオッサン、押すと決めたらおす! とかいっててよ。」
「そうなんですか……。」
そうか。このひとが、諸葛孔明に会うまえの劉備なんだ。……オッサンって、失礼だろ、水鳥先輩。まだお兄さんに近いかも。
「やっとぬけたぁー……。」
天馬が、その場にへたりこむ。はあ……ったく。
「おつかれさん、天馬。」
「あ、ありがとう、風花……。」
俺がさしだした手を、天馬はつかんで立ち上がる。お、重っ。
(そっか、天馬、男子なんだよなー……。)
「ん? そいつ、だれだ?」
「あっ、紹介しますね。風花っていって、おれたちの仲間なんです。」
「そうか。よろしくたのむ。」
「は、はあ……。」
劉備って、こんなんだっけ? 『三国志』読んだ限りじゃ、こんなんじゃなかった気がするけど……。まあ、いいか。ギャップあっていいか。……うん、ギャップがあっていいってことにしておこう。
それより、この大砲、いったいなににつかう気なんだろ。
『お兄。』
『なんだよ、友撫?』
『どこいってたわけ? お兄ったら、いっつもカンジンなときに、どこかいっちゃってるんだから。』
『……母さんと、ちょっとな……。』
『へ?』
友撫が、首をかしげた。
☆
デ、デケー……! いったい、なんなんだ、この諸葛孔明とやらの屋敷デカッ。難攻不落の城って感じだなあ。
「おっきいねえ、お兄っ♪」
「なぜ楽しそう?」
……あ、そっか。あの『兵士の人形』とかいうやつを見れるからか。
(好きだな、人形……。)
そういえば、超ぶきみな顔してるフランス人形も、大興奮しながら「買おう、買おう!」とかっていってたよな。あのぶきみすぎる顔は、いっっっっっしょうわすれない。あの……あの…………!
「ど、どうしたの、風花? 顔がまっ青だよ。」
太陽が、ひや汗をたらしながらきいてきた。
「えっ、いや、ちょっと過去に見た、最悪最低の映像を、思い出しちまってな……。ははは……。」
俺は、力なく笑った。……笑ったのうちに、入らないくらいの弱い笑いで……。
「よし、入るぞ。」
「入るぞって、どこから入るつもりなんだろ。」
「友撫ちゃんのツッコミのするどさは、ぜんぜんおとろえてないんだね。」
「えっ?」
太陽……まさか、俺と友撫のこと、おぼえてるのか……? もしかして、これもタイムパラドックスの影響か? あってもなくても、あり得なくはないけど。
(だけど、太陽の力はかわっていなかった。なのに、タイムパラドックスの影響がでるなんて……。)
俺がひとりでかんがえこんでいると、ガラッという音がした。
「なんだ?」
「あいたよ!」
えっ、あ、あいたって? って、ほんとだっ。あいてるし!
あれ? なんでだ? いつの間にっ。
「お兄、状況読めてないって感じの顔してる〜。」
「だだだっ、だって……。」
「お兄ったら☆ ほら、もういくよ。じゃないと、おいていかれちまうぜぃ。」
「う、うるせえなっ。」
なんなんだよ、きょうは調子くるってばっかりかよっ。