二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.193 )
日時: 2012/12/19 20:14
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)

二話   「オマケ効果」



星またたく夜。この時代で、二回目に見る星空だ。

「やっぱり、ここの時代は、夜のあかりがなくて、きれいに見えるなー。」

俺がそういうと、いきなりうしろで、

『そうですね、風花さん。』

と、声がした。もうなれきってしまったので、俺はふりかえって返事をする。

「現代よりも、きれいなものが、進化して行くにつれて、消えていくこともあるんだよな……。」
『なにかを産みだし、そのせいでなにかが消える……。そういうことのほうが、多いのでしょうね、きっと。』
「そればっかりくりかえしていたら、きっと、ほんとうに美しいものは、すべて消えてしまうんだろうけどね……。」

俺は、ぽつりとそうつぶやいた。

『風花さん……。』
『ファイアリ、やさしくしてやる必要はない。』
「! アクア……;;」
『まったく。おまえ、練習をしにきたのなら、なぜわたしたちをつかわない? フェイ・ルーンという者は、たしかデュプリをつかっていたな。』
「んー……だね。……俺、べつに練習しにきたわけじゃないから、もどってくれね?」

俺がいうと、ファイアリは「えっ。」と声をあげ、「そうか。」と、アクアは声をあげただけ。

『ファイアリ、もどるぞ。』
『えっ? でも……;;』
『ファイアリ、ちょっと。』
『?』

アクアは、ファイアリをよんで、そっと耳打ちをおえると、

『じゃあな。』

といい、俺のからだのなかにとけていった。
あのふたり……いったい、なにを耳打ちしてたっていうんだ? 俺をつぶす作戦? え? 人間対化身ってww
いかんでしょww

「……滝にでも、いくかな。」

俺は、ドウドウという音の聞こえてくる滝にむかった。

——一方、風花のなかにいるアクアとファイアリは——

「アクアさん、やさしいんですね。」
「ふん。べつに。ただ、宿主のことをかんがえてのことだ。あいつだって、たしょうの思い出くらい、つくらせてやりたいのさ。」

アクアさんはそういい、ふっと、クールにほほえんだ。そんなアクアさんが、たまに女のかたじゃなくて、男のかたに見えてしまうわたしって、いわゆる……//

「レズがどうした?」
「キャッ。こ、心読まないでください、アクアさん!//」
「だいじょうぶさ、いったりしないからな。」
「うう……。」
「でも、ファイアリ。わたしはいちおう、女だからな。……いや、そもそも、わたしは、性別はないな。女のようなからだということだ。」
「じゃあ、わたしもですね。……あら? この音……滝じゃありません?」

わたしのセリフに、アクアさんは、くしゃっときれいな顔をゆがめる。

「滝って……滝につっこむ気か?」
「あら? あのかた……フェイさんじゃありませんか?」
「なに?」

アクアさんは、暗闇のなかで、ただひとつ見える映像を見て、「ああ、そうだな。」と、なぜかいやそうにこたえた。

——風花——

「あれ? って……。」

見えたうしろすがたに、俺は見おぼえがあった。もしかして……。

「フェ、フェイ?」
「! ふ、風花……。どうしたの?」
「いや、ちょっと……。練習しようと思ったんだけど、どうもはかどらなくってさ。……となり、すわっていい?」
「う、うん。」

俺はフェイのとなりに、お山座り(いいかたがなつかしいww)ですわった。

「……フェイ、ごめんね。」
「えっ?」

とうとつな俺のセリフに、フェイはとまどったようだった。

「な、なんのこと?」
「……じつは、まえビッグとフェイが話していた、すてられたって話……。」
「えっ……。」
「ほ、ほんとうにごめん! 聞くつもりはなかったんだけど……って、これじゃ、いいわけにしかならないよな……。」
「う、ううん。風花のこともきいたし、おたがいさまってことで。」

フェイは、そういってほほえんだ。
フェイ……こういってるけど、きっと、よくは思っていないだろうな。

「でも、やっぱりフェイは、俺とはちがったな。」
「ぼくとちがう? 風花が?」
「うん。俺と友撫は、すてられたと『思ってた』だけなんだ。……ほんとうは、両親は、通り魔にあって死んでた。」
「!」
「そりゃ、むかえにこないはずだよなー。死んじゃってるし。って、まあ、俺もつい最近きいたんだけどな。」
「えっ? きいた?」
「あ……;;」

しまったー。「きいた」っていっちゃだめじゃん! 「知った」じゃねえと!
と、思ったのはおそすぎて。フェイの質問タイムスタート。

「きいたって、どういうこと? 風花の知り合いからきいたの? さすがに、両親からきくなんてことむりだとは思うけど……。」
「え、と……;;」
『もう、話してしまえばいいじゃないか。』
「! アクア!」
「あっ、昼間の……。」
『どうせ、未来の人間なんだ。影響はないだろう。』
「どうせって……失礼だろ;;」

俺はハッとして、フェイをふりかえった。なんの話か、理解できないという顔をしている。

『わからなくとも、むりはない。ほら、はやく《半個半幽》について、説明せんか。』
「えー……でも……。」

俺は、ちらりとフェイを見た。俺の視線に気づいたフェイは、真剣な顔になって、

「だいじょうぶ、きくよ。」
「でも……。」
『だいじょうぶだろう?』

アクアはそういうと、俺の耳元に口をよせた。

『どうせ、消すんだから((ボソッ』
「……ああ、まあな。」
「? どうしたの?」
『じゃあ、わたしはアイスでもよぶか。』
「え!? なんで!?」
『グズグズしていると、おまえのあたまに氷をつきさしてもらうために、な★』
「なんか、こわい話してるような……;;」
『すまん。アイス、準備たのんだぞ。』
『了解……。』
「えっ、デュプリ!?」

フェイが、いきなりあらわれたアイスにおどろいた。それよりも、俺の後頭部にあてられているするどい氷に気づいて欲しい……;;

「うーん……デュプリっていうより、アクアのオマケ効果って感じかな。」
『そう。わたしのおかげなのさ。な、アイス?』
『ああ。……話をしないと、ほんとうにs 「よし、話をはじめよう!」それでいい。』

アクアのつぎにこわい奴だな、アイスは……。