二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.194 )
- 日時: 2012/12/19 20:35
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
三話 「ベータとアルファ」
「まず、俺は《半個半幽》っていう存在なんだ。」
「はんこはんゆう?」
さっそく、わけのわからん用語登場。フェイは、首をこくっとかたむけた。
「《半個半幽》っていうのは、天界と人間界のあいだで生き返ってしまった人間のこと。めったにそんなひとがいないから、天界でも人間界でもまったく知られていないんだ。かんたんにいうと、幽霊でもなければ、個体でもないってことさ。」
「なるほど……。」
理解力がいいようで。
『ついでにいうと、風花が《半個半幽》となったのは、小学四年生のころだったな。おまえの兄さんの風邪丸一郎太が、フィフスセクターの情報収集のために、海にでたとき、のっていた船からおちて、海中で死んだんだったよな。』
「ああ。でも、星空が見えたと思ったら、ゴッドエデンに流れ着いていた。」
「そっか……。じゃあ、友撫ちゃんは……。」
「あいつは、全部知ってる。……まあ、ひとつだけ、知らないこともあるけどな。」
「えっ?」
「い、いや、べつに、なんでもない。」
俺がいうと、フェイはなにかいいたげな顔だったけれど、そのことばを、ぐっとのどでつまらせた。
「もう、いこう。寝ないと、体壊すぜ?」
「うん……。」
『いや、待て、風花。』
「どうした、アクア?」
『なにかを感じる……風花! これは!」
「なんだ?」
ドンッ
「うわっ!?」
『きたぞ!』
フェイの声と、アクアのはりつめた声が、重なった。あたりは、いきなりあらわれた煙でつつまれ、まったく見えない。
やっと煙が晴れたと思うと、さっきまでドウドウと音をたてていた滝が消え、あたりは巨大な岩だらけになっていた。
「なっ……!」
「どうなっているの?」
「お久しぶりですね、フェイさん、ユエさん♪」
「!?」
うしろの岩から声がきこえた。
ふりかえると、そこにいたのは、俺の予想していた人物だった。
「やっぱり、きたか。ベータ!」
「うふふ♪ また試合ができて、うれしいです♪」
「……試合をもうしこみにきたということは、どうやら、アルファもいるようだな。……そして、父さんもな。」
「えっ?」
フェイが声をあげたとき、
「よくわかったな、風花。」
と声がうしろでして、父さんがあらわれた。
「なんで、ベータがここに!」
「あのかた……ユエさんのお父さまに、無限牢獄から、一時的にだしていただいたんです。でも、チャンスは今回の一回だけ……だから……跡形もなく、たたきつぶさせてもらうぜ!」
いきなりベータの雰囲気がかわり、スフィアディスパスの「フィールドメイクモード」が発動。俺たちが立っているところを中心とし、サッカーフィールドがつくられていく。
「でも、ぼくらは、人数がたりない……。」
「だいじょうぶだよ、フェイ。心配はいらない。……アクア。」
『ああ、わかっている。どうせ、こうなるだろうとは思っていたさ。いくぞ、みんな。』
『『了解です♪/了解。』』
あらわれたのは、七人のデュプリたち。第一印象は、青いって感じ。
「これは……。」
「アクアのデュプリ。二十人いるんだ。」
「さあ、はじめようか。」
いつの間にか目のまえに、ベータとアルファ、そして、デュプリと思われる九人が立っていた。
「ああ。」
俺とフェイが、声をあわせてそういった。
フェイが先にベンチにかけていったとき、俺はアクアに耳打ちした。
「ぜったい、フェイに手出しさせるなよ。」
『わかっている。』
アクアは、フェイをじっと見た。
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一日で二話……!
しかも、平日だよ!? 中学生になってはじめてだわ……!