二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.198 )
日時: 2012/12/23 20:21
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)

四話   「なにかが……?」



試合がはじまるまえ、俺はとりあえず、みんなをフェイに紹介した。
紹介をおえると、七人のデュプリは、フェイをとりかこんだ。

『だいじょうぶやで、緊張せんで。ウチらも、いちおうサッカー、大好きやしね。』

レイクが、ウインクをしながいった。

「す、すごい……会話ができるんだね。」
『そうなんです。まあ、わたしたちは、ふつうのデュプリとはちがいますからね。会話することなんて、簡単ですよ?』
『っていうか、自由行動もオッケーだもんねー♪』

マリンとレインが、わらいながらいう。
というふうに、どうやらフェイとデュプリたちは、仲よくなっているようだった。

「仲よくなれて、よかったや。」
『なれ合わないのは、アイスくらいだろ。』
『ああ。……会話は、好きじゃない……。』
『おまえは、印象的には暗いという感じだからな。』
『失礼。』

このふたりも、ある意味仲よし。
そして、試合開始。俺はDFにまわり、こちらのボール。フェイのとなりにいるのは、MFからFWにうつってくれたアイス。まえから、攻めが得意だとは思ってたんだ、あいつ。俺のうしろ……つまり、GKはレイン(チーム名は、とりあえずテンマーズ。天馬いないけどな)。

「それでは、試合開始——ッ!」

ピ——ッ!

笛が鳴ると、フェイはアイスにパスして上がる。アイスも、フェイト距離をとって、攻め上がっていった。

「アクア!」
『わかっている。まかせろ!』

アクアは、MFの位置から、そのすばやさで、いっきに前線に上がっていく。俺は、心のうちで、ファイアリに問いかけた。

(いけるか?)
『ええ。風花さんの体力がもつならば。』
「っし! そんじゃ、いくぜ!」

俺は、アクアのうしろにつづき、相手陣へと攻めていく。

「ふうん……いきなりきちゃうんですね♪」
「アイスは6ダウン、アクアは2アップ、ほかは指示なしっ。」
『ああッ。』
『了解。』

俺のセリフに、フェイはワケが分からないという顔。まあ、すぐわかると思うけど。
アイスの走るスピードがすこしおち、アクアのスピードが上がった。そこで、やっとフェイも理解したような顔になった。
じつは、ダウンとかアップって、俺がいうときは、走るはやさの話なんだ。アクアとかアイスとか以外には、まったく通用しないけどね。でも、みんな足のはやさがちがうから、調節しないととんでもないことになるんだ。アイスははやめ、アクアは標準的。フェイは、はやいほうかな。でも、指示出したら、なんか混乱しちゃいそう……。

『風花ッ、気をつけろよ。おまえ、すこしおそいぜ?』

いきなり横にでてきたウォーターが、俺のとなりでそういった。俺は、ふいと顔をそむける。

『ズボシか……。だいじょうぶだ、たぶん、みんなわかってるさ。』
「風花、いくよ!」

フェイによばれ、俺はウォーターに片手を上げたあと、フェイの元に、いっきに上がっていった。

「させませんよ♪」

フェイのまえに、ベータが立ちふさがった。アイスからパスされたボールを持っているフェイは、苦虫をかみつぶしたような顔になる。

「くっ……。」
「フェイ、とべ!」
「えっ?」
「はやく!」

俺の指示に、フェイは意を決した表情になり、高めにぴょんっととんだ。そのスキをつき、俺はスライディングで、なんとかボールを死守。

「チッ。」
「いくぜ、フェイ!」
「ああ!」

着地したフェイは、俺のまえにでる。俺は立ち止まった。

「久しぶりにださせてもらうぜ……『水の 風見鶏(かざみどり)』ッ!」

はなたれた水でつくりだされた鳥が、鳴き声をあげながら、ゴールにむかっていく。そして、その先には——フェイ。

「はああっ! ミキシトランス・ティラノ!」

うん、ありがとう。そっちを期待してたよ。

「『古代の 牙』ッ!」

フェイのはなった『古代の牙』が、風見鶏とともに、ゴールにむかっていった。いま思ったら、相談もなにもしていなかったのに、よくここまでうまくやれたものだと思う。
……ふれちゃいけなかったかも。
そして、相手は案外あっさり、ゴールを決めさせてくれた。……でも、逆にみょうだ。あっさりすぎる気がする。もしかして、なにかの作戦なのか……?

『風花、警戒しすぎは、いいかげんやめろよ? おまえの場合、ぎゃくにかわまわりするからな。』

アクアが、俺のもとにかけより、そうつぶやいた。

「えっ、それって……?」
『はやくこい。試合にもどるぞ。』

俺のセリフをさえぎり、アクアはもとに位置にもどっていく。俺は、かけ足でもとの位置にもどっていっていた。
俺がベータのとなりをとおりすぎた、そのとき、

「このあと……あなたがどんな反応をするか、楽しみです♪」

と、ベータがささやいた。
俺は、ハッとしてベータを見やった。ベータは、ニヤリとほほえんで、俺を見る。

(な、なんだ……?)

このあと、なにかおこるとでも、いうのか……?
さまざまな疑問が俺をとりまくなか、ベータはあやしい笑みで、俺を見ていた。


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参照が3000を突破したね。

風花「タイトル変更はひかえてください、っていう、大会からのおねがいだもんな。」

ここだけで、ささやかに報告するというw