二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜キャラ人気投票&2000越え ( No.210 )
日時: 2012/12/31 20:03
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ysgYTWxo)

八話   「本心」



現代にもどってきた天馬たちは、サッカー棟内で、特訓中だった。俺のとなりで、友撫がいろいろともりあがりながら、特訓のようすを見ている。

「いっやー、さすがだね、みんな。コンディションばっちり!」
「……そうかな。」
「えっ?」

天馬は、とてもコンディションがいいようには思えない。まあ、天馬以外にも、気になるヤツいるけど。
天馬は元気ない……っていうか、なんか、思いつめてるような。………………あ、わかった。キャプテンのことについてかも。神童先輩のこと、異常なくらいに見つめてるし、アドバイスをだしてる太陽も見てるし。
思いつめてるんだな、キャプテンのことについて。

(でも、天馬は……。)

あいつには、実力ってモンがある。天馬なら、いつかわかるよ。ほんとうの「キャプテン」が。

(だけど、俺には……。)

右手のひらを見つめて、俺はかんがえこんでしまう。
ほんとうに、このままでだいじょうぶなのかな?
人間界に存在していられるあいだに、ちゃんと役に立てるのかな?
もしかしたら、ぎゃくに、足手まといとかに、なってないかな……。


『足手まといなんて、思ってないからね。』


「覇者の聖典」をとりに、未来の博物館にいったときのフェイのことばが、あたまにこだまする。
あのとき、フェイはあんなふうにいってくれたけど……。
本心じゃないのかもな。

「? お、お兄?」
「ごめん、友撫。俺、ちょっと外でてくるわ。」

俺はそういって立ちあがり、とびらにむかって歩いていく。

「あっ、ふーうか♪」
「! なんだ、菜花か……。」
「一緒に特訓、やるやんね! 風花も一緒にやったら、きっと楽しいやんね!」

菜花はそういって、ニコッとほほえんだ。こんな笑顔なのに、なんか、わるいな……。

「ごめん、いまは、ちょっと……。」
「あ、そ、そっか。さそっちゃって、ごめんやんね。」

菜花はそういて、練習にもどった。
なんで……? なんで、菜花があやまるんだ……? 菜花はべつに、なにもわるくないのに……。

(……はやく、いこう。)

俺は、とびらにむかって、再び歩きだした。

     ☆

外にでると、日なたはぽかぽかとしていて、あたたかかった。なんか、いい散歩日和って感じ。
きょうは休日だから、学校にきているひとは、だれもいないから、気軽にサッカー棟からでて、あちこちをまわることができた。

「ふあー、いい気持ちぜよー……。」

「ぜよ」って、錦先輩のパクリかなーって、思ったりするんだけどねww でも、まあ、いろんな方言がつかえるってことで、いいだろ?(←基準がわかりません)
それにしても、雷門中、やっぱりどっこもかわってねえなあ。はっきりいって、超だだっぴろい。ひろすぎて、なんか迷いそうww

「なんじゃ、こんなところにおったのか。」
「わっ;; な、なんだよ、じいさんか;; おどかすなよ。」
「おまえがどこにいったかと、影山やらフェイやら、黄名子やらが心配しとったぞ。」
「んー……えっとね、散歩っていっといて。かんがえたいことあったし。」
「まったく。おまえはなにかしら、ひとにかくれて、いろいろなやんでおるの。」

じいさんがいっても、あんまりカッコイイと思わないけどな。あ、失礼か。いずれは、「覇者の聖典」を書き記し、歴史に名を残す(?)存在になるんだからな。
……俺からしたら、どうでもいいけど。

「しかたないじゃーん。話したって、どうにもならないこともあるもんなんだよ。」
「ほお。」
「……なんだよ、なに疑ってますみたいな声だしてんだよ。ムカつくぞ、地味に。」
「地味にムカついとれ。」
「んだと!? もういっぺんいってみろ、石と化したジジイ——ッ!」
「なんじゃと!? ワシはまだわかいぞ!」
「そういうこという奴にかぎって、年食ってるんだよ!」

ギャアギャア

「あ、あのー、おふたりともー。」
「ああ!? って、フェイ!」
「どうかしたのか。」
「集合だって。ワンダバが、話しがあるっていってた。」
「そうか。わざわざ、いいにきてくれてありがとな。ほら、いくぞ、化石なりかけジジイ。」
「だから、ジジイじゃないって、なんどいったらわかるか!」
「い、いきますよー;;」

     ☆

「と、いうわけでだ! 時空最強イレブンは、ついに八人となった!」

ワンダバー、そんな大声でしゃべらなくても、きちんときこえてるよ。最後列なのにうるさいって感じるくらいなんだから、最前列は耳をふさぎたく……いや、鼓膜が破れそうなくらいだろうなー……。

「うるさい……ね。」
「ああ。まあ、ワンダバだしな。」
「それで! 大介さん、つぎの時空最強イレブンは!」

きかなくていいよ。あんな化石なりかけジジイになんて。
と、そのふたつは長かったので、以下省略。

「たとえるならば……マスタードラゴンとアーサー王!」
「はああ!?」
「うそぉっ!」

俺と友撫は、思わずガタッと立ちあがった。

「ど、どうしたんですか、ふたりとも?」
「だってだって、だって! マスタードラゴンですよ! アーサー王ですよ! 最高じゃないですか!」
「つーか、んなところにタイムジャンプできるんかーい!」
「可能じゃ!」
「えっ……あ! アルノ博士!」

……と、このあとの説明も、長々しいので以下省略。
つか、よく意味わからんし。

「でも、その時代にタイムジャンプするためのアーティファクトなんて……。」
「ウチの親戚に、お金持ちのひとがいるやんね! そのひと、アーサー王の王冠、持ってるっていってたやんね! ウチ、もらってくる!」

黄名子はそういって立ちあがり、ダッシュででていった。