二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜3000越え ( No.235 )
- 日時: 2013/02/22 19:06
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: UNL2z9Yl)
6話 「ミキシマックス」
あのあと、とりあえず気持ちを落ちつかせて、この件については、むしをつづけることにした。気にしてたら、どうせ、いろいろ手、つかなくなるしね。
「ユエ、いくよ!」
「え? あ、ああ。こいっ。」
フェイが、すばやく切りこんでくる。あっちゃー……しまったな。練習中だっていうのに、かんがえごとしてたみたいだわ。
すごいスピードのフェイが、ピタリと立ち止まり、俺にボールをとられることをふせぐため、自由自在にボールをあやつる。
(さすが、フェイだな。でも、これじゃラチがあかねぇし……よし。)
「『フレイムシールド』!」
「こ、この至近距離でつかっちゃうわけ、お兄!?」
「なっ……くっ、うわあぁっ。」
その名のとおりの炎のかべを受け、フェイはボールをおきざりにして、むこうにとばされてしまう。
「剣城!」
俺はパスをだしたあと、フェイの元にかけよった。
「わるい、だいじょうぶか、フェイ?」
「う、うん……。」
「あそこまで、やるつもりはなかったんだけど……。なんか……。」
力の制御がむずかしくなってるみたい、とはいえず。
「ちょ、ちょっと、力がありあまっちゃったみたいで;;」
「かまわないよ。いまは、調整だもん。すこしずつ、力をかげんするようにしていこう。」
フェイは、ニコッとわらって、走っていった。
俺は、その背を見ながら、ふと思う。
——まぶしい、なぁ……。
あれが、きっと、『生きている』わらいなんだろうな。『生きている』からこそ、あんなふうにわらうことができる。キラキラした、まぶしいね……。
いまの俺じゃ、あんな笑顔は、できないだろうな。
(かんがえてること、キモ。)
こんなことかんがえてるって……なんか、シリアスな小説の主人公みてーww この物語の主人公は、きっと……天馬と、フェイなんだろうなぁ……。
わかんないけど。
まあ、でも、《半個半幽》ってだけで、生きながら死んでるんだけど。あ、まちがえた。死にながら生きてるんだけど、だな。俺、もう死んでるしww
☆
「おっつかれー、天馬!」
「あっ、ユエ! おつかれさま!」
天馬、ニッコリ。フェイに負けないくらい、まぶしい笑顔だ。
どうやら、革命中の、俺のことを思い出したから、俺のことを『ユエ』と呼びやすくなったらしい。違和感なく、すんなり『ユエ』と呼んでくれる。
「ユエ、きょうも絶好調って感じだったね! ゴッドエデンでオリのなかにいたときにやってた、あの氷をブワーッて出すやつ? あれ、やってほしかったんだけどなぁ。」
「氷をブワーッ……? ああ、『アイスブレード(ミニヴァージョン)』ね。」
「カッコのなか、カッコのなか。」
「だって、実際ミニヴァージョンなんだもん。」
「あのときのユエ、本気だしてないっていってたのに、超強かったもんね。」
天馬、ふたたびニコッ。
「まあな。フィフスセクターには、感謝したいやら、翻弄されてすこしうらみたいやらだよ。」
「あの……ごめん、ユエ。ちょっと、いい?」
「えっ、ああ、フェイか。わかったよ。じゃっ。」
俺は、天馬に片手を上げて、フェイの元に走っていった。
フェイのところにいくと、となりにはワンダバがいた。
「どうしたんだよ、ワンダバ、フェイ?」
「じつは……ユエとミキシマックスするひとが、決まったんだ。」
「え、俺もミキシマックスすんの? 体力ムダに消耗する確率、大なんですけど。」
「お、おねがいだからっ。あ、そうそう。そのミキシマックスするひとっていうのがね。」
(ムシかいっ。)
「風丸一郎太さんだよ。」
「いつの間に!? つーか、なんで兄さん?」
「いや……いくら、いとことはいえ、身内でしょ? だから、身内以外のひととミキシマックスするより、負担は少ないかなぁと思って……。」
「負担? ・・・・・あ。」
《半個半幽》のことか。
「……あ、ありがとう、フェイ、ワンダバ。」
「気にするなぁ!」
「仲間として、あたりまえのことをしたまでだよ^^」
「そうか……うん、ありがとう。」
「なにさ、改まっちゃって。いつものユエと比べて、キm……おかしいよ。」
「ひどくね? それ。」
と、いうわけで、兄さんとミキシマックスしました。