二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜5000越え ( No.294 )
- 日時: 2013/08/02 17:59
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: J69v0mbP)
6話 「嫌いか、好きか、それとも、」
「うっ……父さん……。」
不思議なくらい、涙があふれてくる。
父さんが好きなのか、正直なところ、今日までちっとも分からなかった。
嫌いか、好きか、それとも、どうとも思っていないのかさえ。
でも、やっと分かった。
嫌いなんかじゃなかったんだ。
その証拠が、これ——このうっとうしい、これなんだから。
「父さんの馬鹿……。」
もうやだ。
父さんとか、ほんとに、もう……。
「月流……。」
その声にはっとして、顔を上げる。
入り口に、相崎が立っていた。苦渋に顔を染めながら、俺を見ている。
「どうしたんだ? 月流。」
「いや、ちょっとな。」
「……身内の話かよ?」
「まあ、……うん。」
相崎があきれかえった顔で、ため息をつき、俺の隣に座った。
「詳しくは訊かねえよ。どうせ、答えてくれないしな。」
「分かってるじゃん。」
「もうすぐみんな、来るぜ。その顔、なんとかしろよな。」
「うん。……いや、無理。」
「……ああ、分かってる。」
苦笑いを浮かべた相崎は、「来いよ。」と言って立ち上がった。
でも、俺は首を振る。
「いや、べつに、そんなことしなくていいよ。」
「なんでだよ?」
「《半個半幽》だもん。」
「ああ……透ければいいのか。」
「でも、気づかれたらやだし……部屋の隅っこにでも行くよ。」
「分かった。」
☆
「やっべ……。」
話しをすみっこで聞いていたわけですが。
なにやら、フェイが雷門側にもどってきたごようすで。
しかも、「おかえりパーティー」やるそうでして。
俺、ちょっと色々とご用があって、遅れちゃっててね……。え、用事が何かって?
じつは、まぬけなことに、《半個半幽》が、うまく解除できなくてね……。あはは。
やっともどれたと思ったら、もうパーティー開始直前でした。
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本日、じつに短いですが……許してください。