二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

バカと鴉と召喚獣 ( No.2 )
日時: 2012/07/10 23:27
名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)

「問1」

【第一問】 科学
 問 以下の問いに答えなさい。
『調理の為に火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい』


姫路瑞希の答え
『問題点…マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為、危険である点。
 合金…ジュラルミン』
教師のコメント
正解です。合金なので『鉄』では駄目という引っ掛け問題なのですが、姫路さんは引っかかりませんでしたね。


鴉の答え
『問題点…マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為、危険である点。
 合金…鉄』
教師のコメント
問題点の方は正解です。しかし、合金の方は引っ掛け問題なので間違えてしまいましたね。


土屋康太の答え
『問題点…ガス代を払っていなかったこと』
教師のコメント
そこは問題じゃありません。


吉井明久の答え
『合金の例…未来合金(←すごく強い)』
教師のコメント
すごく強いと言われても。



 西村先生の言葉に、確かに我慢しないといけないことを再認識した。この教室は、なんでも扱いが酷いと思うけど、僕にはどうすることも出来ない。0点扱いだから。
 これから、過ごす仲間たちと仲良くしていかないと学園生活を楽しく過ごせない。勇気を出して、ドアを開けると待っていたのは僕を罵る言葉だった。

「早く座れ、ウジ虫野郎」
「ううっ…。酷いよ、僕はウジ虫じゃないのに!うわあぁぁぁぁぁん!」

 僕は悲しくなって、泣き出してしまった。

「雄二、悪口を言うのはどうなんじゃ?」
「そうよ。ほら、泣いているんじゃないのよ。謝って」

 そう言って、秀吉と女子が援護してきた。

「すまん。てっきり、明久かと思って罵ってしまったんだ」
「えっぐ…。僕を罵ったんじゃ、ないんだね?」
「ああ、そうだ」

 どうやら、あれは僕に言ったんじゃなかったみたい。謝ってもらったから、許してあげた。

「ほら、わしの席の隣に座るんじゃ」
「うん、ありがとう」

 僕は秀吉の隣に座った途端、ドアが開かれ、雄二と呼ばれる男子が罵ってきた。


「早く座れ、ウジ虫野郎」
「……雄二、何やってんの?」
「先生が遅れているらしいから、代わりに教壇に上がってみた」
「先生の代わりって、雄二が? 
なんで?」
「一応このクラスの最高成績者だからな」


 雄二と明久のやり取りを聞いていたら、先生が来たみたい。この覇気のない声が、もしかして…福原先生だ。

「えーと、ちょっと通してもらえますかね?」

 寝癖のついた髪にヨレヨレのシャツを着た、冴えない感じの福原先生だった。

「席についてもらえますか?HRを始めますので」
「はい、分かりました」
「うーっす」

 二人が席に着いたのを確認したのか、ようやく始まった。

「えー。おはようございます。二年F組担任の福原慎です。よろしくお願いします」

 そう言って、黒板に書こうとして、チョークを探すがないので、やめた。色々と待遇の違いがあり、Aクラスの方が一番待遇がいい。だけど、Fクラスは全てが古くさい。

「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されていますか? 不備があれば申し出てください」

 その言葉を皮切りに、皆は不備を申し立てる。あれ?僕のだけ、高級な卓袱台とふかふかの座布団だ。どうして、なんだろう。


「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入っていないです!」
「…我慢してください」
「先生、俺の卓袱台の脚が折れています」
「木工ボンドが支給されているので、自分で直してください」
「センセ、窓が割れていて風が寒いんですけど」
「分かりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきます」


 次々と出てくる不備をあしらう、福原先生はかっこいいと思う。去年は、僕に分かりやすく教えてくれたから。