二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- バカと鴉と召喚獣 ( No.5 )
- 日時: 2012/07/10 23:29
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
僕も姫路さんも、皆に圧されて拳を掲げていた。
「よし!明久、Dクラスへの宣戦布告の死者になってもらう。大役を果たせ」
「……下位勢力の宣戦布告の使者ってたいてい酷い目に遭うよね?」
「大丈夫だ、俺を信じろ」
そう言って、明久を行かせる。あれ?死者になっていなかったかな?まあ、いいか。
しばらくして、明久が帰ってきた。
「騙されたぁっ!」
「やはい、そうきたか」
「やはりってなんだよ!やっぱり、使者への暴行は予想通りだったんじゃないか!」
「ふん!騙されるのが悪い」
「少しが悪びれろよ!」
雄二が悪知恵が働くみたい。あれで、友達なのかな?ちょっと、疑問に思っちゃった。
「吉井君、大丈夫ですか?」
おや?姫路さんは優しい人なんですね。こんなにも、人を思うなんて。
「吉井、本当に大丈夫?」
「平気だよ。心配してくれてありがとう」
「そう、よかった…。ウチが——殴る余地はまだあるんだ……」
「ああっ!もうダメ!死にそう!」
………。ダメだ、島田さんは暴力的な女子だったみたい。
「そんなことは、後でしていろ。今はミーディングを行うぞ」
そう言う雄二は、外へ出て行く。他の場所でやるみたい。
「ほら、吉井。アンタも行くの」
「あー、はいはい」
「返事は一回!」
「へーい」
「……一度、Das Brechen ——ええと、日本語だと……」
「…………調教」
ムッツリーニの声が聞こえる。僕は彼らのやり取りを、秀吉と見ていた。
「そう、調教の必要がありそうね」
「せめて、指導か教育にしてよ」
「じゃ、中間とって Zuchtigung ——」
「…………それはわからない」
「あー、それは折檻ですね」
「ちょっと!鴉がなんで、ドイツ語知っているのさ!」
「んんー?入院中、暇だったから海外文学を読んでいたら、いつの間にか25ヶ国語も喋れるようになっていたんだよ?」
そう言って、秀吉と共に屋上に向かう。
「明久、宣戦布告はしてきたな?」
「一応今日の午後に開戦予定と告げてきたけど」
「なら、先に昼食なんですね」
「そうなるな。明久、今日ぐらいはまともな物を食べろよ?」
「そう思うなら、パンでもおごってくれると嬉しいんだけど」
「えっ?吉井君、食べないんですか?」
「なら、僕の弁当でも食べてみる?」
明久がそう言うから、僕の弁当を分けてあげようと。
「えっ?いいの?鴉の弁当なんでしょう?」
「うん、いいよ。多分、一人暮らししていて、仕送りは来るんだけど漫画やゲームに使い込む人なんだよね?明久は」
「…凄いな。ここまで、明久の生活を当てるなんて」
「鴉、なんで分かったんじゃ?」
「えっ?西村先生に聞いたんだけど…」
そう言って、持ってきたキャリーケースから重箱を取り出す。
「鴉よ、どうしてそれなんじゃ?」
「足に障害が残っちゃったから、負担の少ないこれにしたの」
「おっと、話が逸れたな。試召戦争に戻ろう」
「そうですね」
「まぁな。考えがあってのことだ」
「どんな考えですか?」
姫路さんは、雄二に聞いている。確かに、雄二は戦略を考えることが出来るんだど思う。
「色々と理由はあるんだが、とりあえずEクラスを攻めない理由は簡単だ。戦うまでもない相手だから」
「え?でも、僕らより上だよ?」
「ま、振り分け試験の時点では確かに向こうが強かったかもしれないけどな。だが、今は違う。周りの面子をよく見ていろ」」
「えーっと……」
明久は雄二に言われた通りに、周りを見回す。
「美少女二人と馬鹿が二人とムッツリが一人と、烏たちに好かれている鴉が一羽いるね」
「誰が美少女だと!?」
「…………(ポッ)」
「ええっ!どうして、雄二とムッツリーニが反応するの!?僕だけじゃ、ツッコミ切れない!」
「ねぇー?どうして、僕が人間扱いされていないの…?グスン…」
「烏、ごめんなのじゃ。明久に悪気はない…はずなのじゃが」
「「カー、カー」」
秀吉や烏たちに慰められた。やっぱり、僕は人間じゃないと思われていたみたい。
「ま、要するにだ。姫路と烏に問題のない今、正面からやり合ってもEクラスには勝てる。Aクラスが目標である以上、Eクラスなんかと戦っても意味がない」
「それなら、Dクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」
「ああ、確実に勝てるとは言えないな」
「だったら、最初からAクラスに挑もうよ」
「明久、お前はバカか?姫路と烏の振り分け試験を受けていないんだぞ?」
「!? そうか!二人とも、0点のままだったね」
「そうだ、まずは二人に試験を受けてもらわないといけないからな。今から言う作戦に関わる事だから」
こうして、打倒Aクラスに向けて、雄二の作戦に耳を傾ける。