二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- バカと鴉と召喚獣 ( No.9 )
- 日時: 2012/07/10 23:34
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
そう言うと、教室に向かう。しばらく、僕の出番はないと思う。だって、あとは姫路さんにもやらせてあげないといけないから。
「鴉、凄い活躍したんだってな」
「うん、召喚獣で戦うのは楽しいね」
と、ここで午後の授業が終わるチャイムが、鳴り響く。
「そろそろ、決着をつけるか」
「そうじゃな。ちらほらと下校しておる生徒も見え始めたし、頃合じゃろう」
「…………(コクコク)」
「そうだね」
「おっしゃ!Dクラス代表の首級を穫りに行くぞ!」
教室から皆が出て行く。
最後の仕上げ、Dクラスの代表平賀君を倒せば、この戦争は終わりを迎える。
戦場に響き渡るは、二つの代表の声。各々が敵を倒し、手柄をこの手に掲げる。
学園内で繰り広げられる試召戦争は、多くのスポンサーに支えられ、戦える。
「姫路さん、よろしくね」
僕がDクラス5人に数学を挑んでいた時に、明久の声がした。
「あ、あの…」
「え?あ、姫路さん。どうしたの?Aクラスはこの廊下を通らなかったと思うけど」
「いえ、そうじゃなくて……」
もじもじと言いづらそうに身体を小さくする姫路さん。
「Fクラスの姫路瑞希です。えっと、よろしくお願いします」
「あ、こちらこそ」
「その…Dクラス平賀君に現代国語勝負を申し込みます」
「……はぁ。どうも」
「あの……えっと、さ、試獣召喚です」
『Fクラス 姫路瑞希 339点
現代国語 VS
Dクラス 平賀源二 129点』
「え?あ、あれ?」
戸惑いながらも平賀君も召喚獣を構えさせ、相対する。
「ご、ごめんなさいっ」
そう言う姫路さんの召喚獣が持つ大剣に斬られて、戦いは決着を迎えた。
Dクラス代表 平賀源二 討死
「まさか、姫路さんがFクラスだなんて……信じられない」
「あ、その、さっきはすみません……」
「姫路さん、戦争だから謝ってはダメだよ?」
「そう。そこの鴉君のように、僕は戦争に負けてしまったんだから」
僕は懐に入れていた本を取り出す。
「はい、以前注文があった『日本の風景100選』だよ」
「ああ、すまない」
「あ、そう言えば、雄二が何か言いたい事があるみたい」
「ああ、Dクラスを奪う気はない」
「どうしてなのさ!折角普通の設備を手に入れることができたのに」
「忘れたのか?俺たちの目標はあくまでもA
クラスのはずだろう?」
「なら、標的をAクラスにしないのさ」
明久はまったく分からない様子。
「鴉、明久に説明しろ」
「はいはい、明久。ゲームで例えるけど、レベル1のままで、ラスボスに挑みたいかな?」
「ううん、挑みたくな…ああっ!」
「そう、DクラスやBクラスを、レベルアップの為のダンジョンだと思えば分かるかな?」
僕は明久の為に、分かりやすくゲームで例えた。説明しないと理解出来ないのは、バカだよね。
「話は終わりだ。各自、解散しろ」
雄二の言葉に、皆は帰る支度をする。