二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- バカと鴉と召喚獣 ( No.10 )
- 日時: 2012/07/10 23:36
- 名前: 蒼月悠斗 (ID: zWzUF/vQ)
「問5」
第三問 数学
問 以下の問いに答えなさい。
『(1)4sin+3cos3X=2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。
(2)sin(A+B)と等しい式を示すのはどれか、①から④の中から選びなさい。
①sinA+cosB ②sinA-cosB
③sinA cosB ④sinA coaB+cosA sinB』
姫路瑞希の答え
『(1)X=π/6
(2)④ 』
教師のコメント
そうですね。角度を『°』ではなく『π』で書いてありますし、完璧です。
鴉の答え
『(1)すみません。わかりませんでしたので、のちほど解説お願いします。
(2)④ 』
教師のコメント
おや?一番は分からなかったのですね、あとで西村先生が補習してくれるようですよ。
土屋康太の答え
『(1)X=およそ3』
教師のコメント
およそをつけて誤魔化したい気持ちもわかりますが、これでは回答に近くても点数はあげられません。
吉井明久の答え
『(2)およそ③』
教師のコメント
先生は今まで沢山の生徒を見てきましたが、選択問題でおよそをつける生徒は君が初めてです。
「鴉、わしと一緒に帰らんかの?」
「うん、いいよ?」
僕は秀吉と一緒に学校を出た。しかし、疑問に思ったのは、どうして女子に見えるんだろう?髪が長いからなのかな?
「して、鴉よ。その包帯と足の障害について、話してくれんかの」
「んー、春休みの時に交通事故に遭ったんだよ。轢き逃げかな。幸い、目撃者がいたから僕は病院に運ばれて、助かった」
その犯人は捕まって、今頃囚人になっていると思う。
「退院が出来たのが、振り分け試験の前日。勉強しようにも、一日安静にしていないといけないから欠席したよ。左目は変わっていて、足は障害で動かしにくい」
そう言って、秀吉に左目の包帯を取って、見せてみた。
「左目は開かなくなっていたんだよ」
「左目を永遠に失ったんじゃな」
「秀吉には、悲しそうな顔は似合わない。僕を助けてくれないかな?」
「うむ、わしに任せんのじゃ」
ようやく、秀吉が笑ってくれた。いつも、僕の側で悲しそうにしていたから、心残りになっていた。
「あ、ここでお別れだね。また、明日学校で」
「分かったのじゃ」
秀吉と別れて、僕は家に帰る。と言っても、両親は育児放棄したとして、近所から白い目で見られ、あらぬ噂に疲れて自殺した。だから、母方の祖父母に援助してもらっている。広い家に、一人暮らしして生活している。
「皆、餌だよ」
「「「「カー、カー」」」」
一人だと寂しいから、怪我した烏や近所にいた烏を飼っている。最近、同類にされちゃったみたいで、烏たちの言葉が分かってしまった。微妙に人間離れしているかも。どこかのクラスで、島田を『お姉さま』と言っている女子がいるらしい。しかも、人外化すると聞いたことがある。恐ろしい黒いオーラを発して、襲いかかるんだって。
「大丈夫だよ、落ち込んでいないよ…。お前たちと同類なんだって」
「アー、アー」
「ちゃんと、人間だから落ち込まないで?ふふ、ありがとう」
僕は烏たちに励まされた。秀吉だけは、僕を人間と見てくれている。
「あ、学園長から注文された部品を用意しないと。そう言えば、教頭からも教材の受注されていたね」
明日の朝に渡すために、地下室の扉を開けて入る。中は多くの物が乗っている棚を置くために広く掘っている。これが、僕が『烏書店』と呼ばれる所以である。ついでに、本以外も取り揃えてみた。
「ええと…あ、これかな。あと、Aクラスのための最新型のPCも50台も用意しなくては」
徹夜で近辺の学校に配達する物を探す。どこの店よりも品揃えが良いせいか、よく注文が入ってくる。たまに、武器の注文も舞い込んでくる。まあ、扱っていない物はないけどね。
***
翌朝、早く登校して学園長室に向かう。
学園長室は去年から入っているから、別に何も思っていない。
コンコンとノックして、返事を待つ。