二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.619 )
日時: 2012/09/26 17:35
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

短編2の続き(ハル視点)

数時間後、そのお店で手作り体験を楽しみながらもバンに似せて作られたキーホルダーが完成した。
このキーホルダーをプレゼントしちゃおうかと思ったその時。
CCMの着信音が鳴り出して、さっそく通話に出た。

「もしもし?」
『俺だけど・・・・・・空手部のところに行ったら、ハルが来てないっていうからさ』

幼馴染の山野バンから電話がかかってくるとは想像していなかった。
自分を心配して話しかけてくれるところはまったく変わらない。

「・・・・・・・」

バンに言おうか否や迷っていた。
上手く誤魔化すことができたとしても、幼馴染だから分かってしまう。
観念しようがないかもしれないが、ここは上手く切り出そう。

「ごめん、ある場所にいるんだけど------------------」

言いかけた瞬間、目の前にバンがいたのだ。
驚きのあまり、声が出なかった・・・・・・呆然として見つめる。
バンはCCMの通話を切り、閉じてポケットに入れた。

「なんで、ここが分かったのかっていう顔してんな」
「嘘ォ・・・・・・何でここにいるの?」
「商店街を歩いていたら、この店を偶然見つけてさ」

バンはポリポリと頭を掻きながら、思わず苦笑する。
その時、店員さんが私たちを見て呟いた。

「君たち、もしかしてカップルかい?」
「いや、そんな・・・・・・・俺たちは別にそういうのないですから」

バンが苦笑しながら受け答えしている間に抜け出そうかと思っていた。
楽しそうに店員さんと話している姿を見て、酒を飲まなければ良い人なのは分かっている。
なのに、幼馴染であることに共感できるけど・・・・・・・バンに自分の思いを伝えられないでいるのは確かだ。

(バンになんて言おうかな・・・・・・)

バンに自分の思いを伝えるわけにはいかないので、店員さんにお金を払ってから出ることにした。
幼馴染と顔を合わせられないのはどうだか・・・・・・っていうか、バンに何を言おうか悩んだ。

「バン、この後は用事あるの?」
「えっ、別にないけど・・・・・・何で?」
「とりあえず、飲みに行こう!!」
「えっ、ちょ・・・・・・おい!」

勢いよくバンの手を引き出しながら走り出した。
そんな私の様子を見た彼は目を丸くして驚きを隠せなかった。

(ハル?)

様子がおかしいことに気付いたのか、バンは何かあったのかなと思いながら見つめていた。
そんなことはお構いせずに飲みまくるしかないと思ったのだろう。
居酒屋に向かって、私たちは急いで駆け出した。