二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.633 )
日時: 2012/09/26 20:57
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

短編の続き(ハル編)

数時間後、意識が戻った頃には深夜になっていた。
部屋の周りを見る限り、真っ暗になっていたが・・・・・・ここはバンの家だろうか。

(あれ、何でバンの家にいるんだろう?)

そう思いながら、ムクリと上半身を起こした。
ぼんやりしていた視界がだんだんハッキリしてくると・・・・・・バンの部屋だった。
彼はどこにいるのかと思いながら探すとソファに横たわりながら寝ている。

(そっか・・・・・・私は酔い潰れて寝ちゃったんだな)

カーテンの隙間から差し込む光を頼りにして、カーテンを引く。
ホントに飲み過ぎて寝ちゃったんだと思いながら、バンに申し訳ないことをしたなって気付いた。

「誕生日プレゼント、渡せなかったかぁ・・・・・・」

そう言いながら呟いたその時だった。
後ろからバンの眠そうな声がした。

「ハル、目が覚めたのか」
「うん・・・・・・ここ、バンの家だよね?」
「ああ、そうだよ」

眠そうに上半身を起こして、ソファに座り直した。
バンの隣に座りながら見つめる眼差しは真剣そのもの。

「ハル、これは何?」

バンが持っていたのは、プレゼント用に使ったものだった。
手作りのキーホルダーが入ってることに気付かなかったようだ。

「ちょ、それ・・・・・・」
「あぁ、居酒屋にいるとき・・・・・・ハルが寝てたときに落ちたのを見つけてさ」

バンは四角いものを見つめながら、そこに結わえられた紐を解こうとした。
そこで、私はストップをかけた。

「ちょっと・・・・・待って、バン」
「------------え?」
「あのさ・・・・・・・しばらくは誕生日プレゼント渡せなかったじゃん」

誕生日プレゼントのことを聞いたバンはああ・・・・・・と頷きながら呟く。
これが何なのか分かったらしく、私に問いかけた。

「もしかして・・・・・・・俺の誕生日プレゼント?」
「うん・・・・・・・」
「じゃあ、開けてみてもいい?」

その言葉を聞いて頷きながら、バンを見守る。
シュルリと結わえられた紐が解ける音がしたのと同時に慎重に紙を破いていく。
そこに現れたのは、小さい四角いもの。

「この中に入ってるよな?」
「うん、開けてみていいよ」

私の合図と同時にその蓋がパカッと開いた。
そこで出たのは、バンそっくりの手作りキーホルダーだった。

「うわぁ・・・・・・俺そっくりじゃん」
「うん・・・・・・」
「ありがとな、こんなものをもらっていいのか分かんないけど・・・・・・大好きだよ、ハル!」

バンに抱きしめられて、大慌てになりかけたが・・・・・・・バンに喜んでもらえたのが何よりだった。
そろそろ、自分の思いを伝えようと思った・・・・・・バンを見据えて話すことにする。

「ねえ、バン・・・・・・」
「ん? なんだよ」

バンは優しい眼差しを向けながら、私の話を聞くつもりだ。
告白とは言えないかもしれないけど、この際だから言おう!

「今まで私のことを見守ってくれてありがとう。アメリカに引っ越すときも支えてくれたよね・・・・・・・バンがいなかったら、私は鬱になってたかもしれない」

感謝の言葉を述べていくうちに涙が溢れ出してきそうでならなかった。
その言葉を聞いたバンは私を優しく抱きしめながら受け止めてくれた。

「いや、礼を言うのは俺の方だよ」
「え、何で?」
「俺もハルには感謝してるんだよ。面倒見の良い幼馴染を持てて幸せだなって思ったけど・・・・・・・アミやカズに言ったら、絶対に怒られちゃうなぁー俺たち」

バンは笑いながら、あはは・・・・・と言って、私の頭を優しく撫でた。
心優しき幼馴染がいるから、ここまで生きてこれたという証だと実感できた。

「うん、そうだね」

バンがいたから、ここまで生きてこれたのだろう。
辛いことがあっても、私を支えながら励ましてくれた。
そんな幼馴染がいて幸せだなってつくづく思ったことが何度もあった。
周りに尊敬できる仲間がいるから頑張れるんだなって思っていたのだ。