二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.655 )
- 日時: 2012/09/27 14:02
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
あと1話で短編を終わらせます!
それでは、バン視点スタート!!
数分後、何かに揺られながら歩いていることに気付いた。
ようやく、意識が戻った俺は眠そうに見覚えのある青年を見た。
「-------------ヒロォ?」
「あ、バンさん。目が覚めましたか」
ヒロが担ぎながら、眠そうな俺を見て心配そうに覗きこんだ。
酔っていて、呂律が回らないのかな・・・・・・俺、そんなに飲んでたんだな。
「僕んちに泊まりましょうか?」
「ぅん・・・・・・悪いな、ヒロ」
ヒロの気遣いに感謝して、今日はヒロの家に泊まることにした。
俺んちよりヒロんちの方が近くて便利だから、そこにしようと思った。
そういえば、酒を飲んでいたときにいなくなってたことを思い出して話しかける。
「そういやぁ、酒を飲んでるとき・・・・・・どこ行ってたんだよ?」
「あぁ、トキオシア公園ですよ。友達を探しに行ってました」
「ふーん・・・・・・」
ヒックと呻きながら、ヒロを見る。
友達探しか、ご苦労なこった。
「それで戻ったら、酔い潰れて寝てたんですよね」
「ああ、そうだったっけ・・・・・・」
その時、物音がして誰かが戻ったということを察していた。
なぜか眠くてたまらず、まだ爆睡したままだったのを思い出していく。
そういえば、酔い潰れて寝ちまったのは久しぶりだったな。
「バンさん、しっかりしてくださいよ」
「ああ、分かってらぁ・・・・・・・」
大切な仲間がいるから頑張ってこれたのだと思う。
ヒロも教育学部に進学したかったが、社会学部に入学した。
学部が違っても仲良くしたいという気持ちは変わらなかった。
「でも、俺は酒を飲むことしか考えてなかったな」
「どういう意味ですか?」
ヒロが驚きながら、ツッコミを入れる。
俺は自力で歩けるから大丈夫だと言って、ヒロから離れて歩く。
ふらつくのは、酒を飲み過ぎたせいなのか・・・・・・千鳥足で歩きながらふらつく俺を支える。
「危ないですよ、バンさん!」
「大丈夫だってェ・・・・・・ヒック」
酔っている頭を冷やそうと思ったが、かなり泥酔していたのだろう。
ヒロが心配そうに俺の背中を支えながら押して歩いてくれた。
「あ、見えてきた!」
マンションに住んでいて、1人暮らしが長かったと聞いている。
中2のとき、母親がオメガタインで働いていたことを聞いて知った。
母親は俺たちに協力してくれて、ガータインの阻止を阻むことができた。
「そういや、マンションに住んでんだよな?」
「はい、そうですけど・・・・・・って、お母さんはいないからな」
あはは・・・・・・といって笑うヒロを見て、頭を撫でた。
仕方がないけど、ヒロを見ていると可愛い弟のような存在でありたいなと思っていたのだ。
ヒロの家に入り、居間に通された。
居間のソファに座り込んだ後、ヒロは水を用意してくるから待っててくれって言ってくれた。
(ここに来るの久しぶりだな・・・・・・)
ヒロの家に泊まるのは何年ぶりだろう。
中2の時以来だから、ここに遊びに来る暇がなかった。
後輩の家に行くこともあったけど、ヒロは素直で調子に乗るところがあるしな。
「バンさん、お待たせしました」
「サンキュー」
ヒロが持ってきてくれた水の入ったコップを受け取って飲んだ。
酒を飲み過ぎたのが効いたのかもしれない。
「そういえばさ、阿野と何か話し込んでたの聞いちまったんだよ」
飲み会で酔っ払って寝ていたとき、阿野とヒロの会話が耳に飛び込んできたので気になっていた。
大根田何とかっていう名前に聞き覚えがあったから、ヒロに聞いてみようと思った。
「何を聞いたんですか?」
「大根田何とかっていう名前の話してたみたいだけど、そいつと何か関わりがあったわけ?」
「ああ、大根田有也くんのことですね・・・・・・」
ヒロは溜息をつきながら、あぐらをかいて座る。
俺もあぐらをかきながら座り込んで、ヒロの話を聞くことにした。
「大根田有也君は僕の同級生でミソラ二中にいた頃は、札付きの不良として知られていました」
「大根田有也って・・・・・・・確か、札付きの不良で暴れまわってたヤツ?」
「はい。かなり有名だったらしくて・・・・・・授業中に来ては居眠りするし、先生に暴力をしたりしては問題を起こしました」
札付きの不良として有名だった大根田有也。
ミソラ二中では誰も知らないものはいないし、有名な存在になっていた。
今日になって、トキオシア公園で彼と再会してしまったのだという。
「バンさんが酒を飲んでいる間に鶴来から連絡が来て、大変なことになっているから助けに来てって言われました」
「トキオシア公園に行ったら、そいつがいたのか?」
「はい・・・・・・何かヤバかったですよ」
その話を聞く限り、ヤバいことになっていたのが伺えた。
大根田とは関わりたくないという思いがあったのだろうか。
「そうか・・・・・・まぁ、過ぎたことはしょうがないから忘れちまえば良いさ」
「はいっ!」
ヒロの素直さに惹かれたのはいつからだったろうか。
中2の時、中1だったヒロと出会ってから仲良くなれるほどまでに発展して、時にはケンカしたこともあった。
ヒロがいなければ、ディテクター事件を解決することができなかったと思っている。
「ヒロ、ありがとな・・・・・・」
「ちょ、バンさん!?」
ヒロのベッドにダイブして倒れ込んだ。
酔いの浸った頭で状況を把握するわけにはいかない。
それでも、大切な仲間がいるのだと認識できたと思う。
「バンさん?」
ヒロは心配そうに顔を覗き込んだ。
眠くなってきたのか、トロンとした目で見つめる。
「寝ようぜ・・・・・」
そう言った後、目を閉じた。
やがて、深い眠りに引きずり込まれていく。
今日も良い夢が見られますように-----------------