二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.681 )
日時: 2012/09/28 16:02
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第35章の続きを描く前に短編を描きます(またかっ!!)
短編が終わり次第、第35章の続きを描きます!!

短編3:バンハル編
タイトル:幼馴染としての距離(ハル視点)

大学2年生になって、ようやく慣れようとしていた矢先のこと。
いつものように授業を受け、放課後は空手部の練習に明け暮れる毎日を送っていた私は親友の月島楓から意外な話を聞いた。

「山野君、イケメンで人気あるみたいだよ」
「----------------は?」

イケメンなのは確かだが、バンはそんなことを気にしないはずだ。
それでも、幼馴染の私が言えるわけじゃないけれど・・・・・・彼氏として居てほしい気持ちは変わらない。

「楓、あんた・・・・・何を言って----------------------」
「あれ? 山野君の噂、聞いてないの?」
「噂?」

バンに関する噂が出ていたことを知らなかった。
なぜ、その噂が出るようになったのかは知らないが・・・・・・大学2年生になってすぐのことだったらしい。

「山野君さ、イケメンなくせにしてモテモテらしいっていうのがあるんだけど・・・・・・何か最近、大学4年生の先輩と付き合っているらしいよ」

その言葉を聞いた瞬間、ビクッとなった。
大学4年生の先輩と付き合ってるって・・・・・・ちょ、何それって言いたいくらいに反抗しようとする。

「ちょっと待ってよ、いくらなんでもありえないって!」
「それが本当なのよね・・・・・・この前、鶴来がバンを見かけたって言うからその時に聞いたのよ」

鶴来というのはヒロの同級生であり、後輩の1人だ。
バンがそこまでモテるとは思ってなかったが、それなりに人気が高いのだろう。
楓が聞いた話によれば、バンにプロポーズしてパカップルになったくらいだという。
その話を聞けば、バンがそこまで付き合いだしているとは想像していなかっただろう。

「うーん・・・・・・これって、何かありそうじゃない?」

真相を追うわけにはいかず、バンに会って話した方が良さそうだと思った。
でも、今日は部活が終わってからじゃないと聞きだせそうにもない。

「バンに会って、話を聞いてみないことには分からないんじゃないの?」
「でも・・・・・・おばさんも薄々、感づいてたらしいよ」

バンの母親・山野真理絵も息子が誰かと付き合って、酒を飲み歩いて帰ることが多いようだと気付いていたらしい。
根っからの女たらしではないけど、バンはそういうタイプではない。
私は幼馴染として信じることしかなかったし、バンから話を聞いてみるしかなくなった。

「よし、バンの家に行くか!」
「ハル・・・・・・?」

楓が首を傾げたことにも構わず、部室で着替え終えた私は先に帰ると言って駆け出した。



数分後、河川敷を経て帰路に辿り着く。
やがて、バンの家に着いた私はインターホンを押す。

『ピンポーン』

玄関のドアが開かれ、そこに現れたのは-------------------
バンの母親・山野真理絵だった。その様子だと息子の帰りを待っていたのだろうか。

「あら、ハルちゃんじゃない。夕飯は?」
「あ、まだ食べてないんですけど・・・・・・」
「だったら、クリームシチューができてるけど・・・・・・食べていく?」
「ありがとうございます!」

ご好意に応えて、バンの家に上がって居間に通らせてもらった。
その裏のドアを開けて、食卓を囲むテーブルの上にアツアツのクリームシチューが乗っていた。

「いただきます!」

ご飯とクリームシチューを平らげながら食べている。
そんな私を見たバンのお母さんは苦笑しながら溜息をつく。

「バンのヤツ、飲み歩いて帰ることが多いらしいのよね」
「えっ、どういうことですか?」
「バンったら、べべれけに酔っ払って帰ってくるのよ。あれで困ったわ」

どうしようかと言いながら笑いつつ、息子のことを心配しているのだろう。
その酔っ払いをどうにかできないものかと言いながらも溜息をついていた。
それでも、彼が先輩と付き合いだしていることは確かなようだった。

「本当に困ったもんですねぇ・・・・・・」
「たいてい、深夜1時か2時くらいに帰ってくることが多いな」

深夜1時or2時?
そんな夜遅くに帰ってくることが多いのか!
うーん・・・・・・私もそこまで起きていられるか微妙だけど、バンの家に泊まって待つことにした。

「おばさん、今日はバンの部屋に泊まってもいいですか?」
「ええ、良いわよ。バンのヤツ、帰ってきたら驚くだろうなぁ」

ウシシシシシ・・・・・・とイタズラしそうな笑みを浮かべて呟いた。
確かにバンが帰ったら、ビックリさせちゃうかもしれない。

(今度こそ、話を聞かせてもらうわよ!)

幼馴染としてのプライドがますます高まり、バンに対する怒りが込み上げてくる。
バンが帰ってくるその時までに部屋で待機することにした。