二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.704 )
日時: 2012/09/28 20:37
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

短編3の続き(バン視点)

その頃、バンは大学4年の先輩・鶴見ナナミに誘われてミソラ駅近くの居酒屋で酒を飲んでいた。

「バン、飲み過ぎじゃない?」
「良いよ、別に・・・・・・」

酒を煽りながら、グビグビ飲んでいる俺を見て心配そうに気遣う。
ナナミなりに気遣ってくれているのかもしれないが、数日前にハルがあんなことを言い出すからショックを受けたというのもあるだろう。

「バンってば、小学校の時からハルちゃんと仲よかったよね」
「そりゃ、確かにそうだけどさぁ・・・・・・・」

ナナミちゃんとは近所で仲が良かったし、大学生になってから飲みにいこうと誘ってくれた。
何回か飲んで帰ることもあったけど、ナナミはいつも優しいから気にかけてくれるし、相談しやすかった。

「幼馴染であることには変わらないのにね」
「あん? どういう意味だよ」
「もしかして、ケンカしちゃったとか?」

ナナミの鋭い洞察力には毎回、脱帽してしまう。
俺はハルに殴られたことを話そうか悩んだ挙句、ようやく話すことを決意した。

「うん。ハルとケンカしたっていうか--------------------」

正確には平手打ちで頬を殴られたことを話した。
その話を聞いたナナミちゃんは苦笑しながら笑う。

「あはは・・・・・・なんだ、そんなことで勘違いされちゃったの?」
「--------------------は?」

勘違いされた?
それって・・・・・・ハルは俺が先輩と付き合っていることを聞いて、勘違いしたっていうことになるのか。

「勘違いしたって------------------」
「バンと私が幼馴染として付き合い始めたのって、小さい頃じゃん。つまり、最近になって付き合い始めたという噂が流れてたんじゃないのかな」

最近になって、俺がナナミと付き合いだしたのもこの頃だと思っている。
立向居や直紀たちは知っていたが、ハルだけ知らなかったようだ。
彼女は楓から話を聞いたそうで、気になって質問したのかもしれない。

「噂が流れてたから、勘違いしたんじゃないのかぁー」
「そういうことになるね。バン、あんなに飲んで大丈夫なの?」

ナナミは心配そうに見つめながら、ゆっくり飲んでいる俺を気遣う。
その気遣いは嬉しかったけど、ハルになんて言えば良いか分からなかった。

(仕方ねぇ・・・・・・ハルが俺んちに来た時にでも謝るか)

そう思いながら、ちびりと酒を煽って飲んだ。
俺はナナミ先輩と一緒に酒を飲みながら、いろいろ語り合った。




やがて、時間が経ち--------------------
深夜1時になっていた頃はもうすでに酔い潰れていた。
テーブルに突っ伏して寝ている俺の肩を優しく起こすナナミの声がした。

「バン、そろそろ帰るよ」

上半身を起こしてくれて、眠そうな目でナナミを見つめる。
いつの間にか知らない間に寝ていたことに気付いた。

「今、何時?」
「深夜1時よ」

夜中の1時かぁ・・・・・・どうりで遅くなっちまったみたいだ。
ふと、CCMのランプがついていることに気付いて開くとメールが来ていた。

【・・・・・・バンの家で待ってるから ハル】

幼馴染のハルからだった。
俺のことを待っていてくれるのは、彼女しかいない。
いつも酔い潰れて帰ってくる俺のことを心配して気遣ってくれた母さんはハルのことを信頼していたからだろう。

「あら、愛しの彼女からメール?」
「かっ、からかうなよォ・・・・・・」

CCMを閉じて、ズボンのポケットに入れて応える。
居酒屋を出て、ナナミ先輩と別れた俺は帰路に着いた。