二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.824 )
日時: 2012/10/01 19:15
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

短編1の続き(健太視点)

やっとの思いで自宅に着いた。
バン兄さんは家に着いた途端、自力で歩けるから大丈夫だと言って歩き出す。

「ちょ、兄貴!」
「へーきだって、靴を脱げば良いだけだからさぁ・・・・・・」

フラフラ歩きながら、玄関のドアを開けて入る。

「ただいまぁー」

酔っ払っているバン兄さんを見て呆れながら出迎える母さん。
飲み過ぎたことには慣れているのか、靴を脱いで入った。

「飲み過ぎたのね」
「別に飲んで良いじゃんかぁー」

いつもなら廊下で寝ているはずだったが、バン兄さんは2階に通じる階段を駆け上る。
酔っ払ったまま、部屋に向かっていくのは危なくないかと思いながら心配して見守る。

「兄さん、飲み過ぎてるんだよね。いつもなら、廊下で寝てるはずだったんじゃ?」
「バンも自覚してたみたいなの・・・・・・健太たちには心配かけてばっかりだったからって言ってた」

母さんは苦笑しながら、バン兄さんのことを思い出して話しかける。
つまり、兄さんは酒を飲みながら酔っ払うことだけしか考えてないのだろうか。

「じゃあ、2階に行けるならさ・・・・・・無理しないで行かなくて良いんじゃないの?」

居間で寝てれば良いのにって言いながら呟いた。
その呟きを聞き、母さんは溜息をつく。

「そうね、明日から学校に行くんでしょ?」

退院したばかりなので、学校に復帰して登校する予定だ。
何か嫌なことに巻き込まなければ良いと思いながら頷いた。

「うん・・・・・・そうだな」
「健太?」

俺の様子を見て、おかしいと思った母さんは首を傾げる。
何か変なことに巻き込まれなければ大丈夫だと思いながら信じるしかない。

「何でもない・・・・・・2階に行くね」

そう言って、2階に通じる階段を駆け上った。




数分後、部屋に入ると・・・・・・・バン兄さんはソファに座りながら、眠そうな目で見つめていた。
そんな兄の姿を見るのは久しぶりだったので、隣に座った。

「兄貴」
「んー? なんだよ・・・・・・」

ううんと唸りながら、眠そうに俺を見て応える。
明日から学校が始まるのに、悩みを抱えてしまうのも気になる。

「俺、友達なんているわけないよな・・・・・・」
「健太、どうしたんだ?」

眠そうな目で優しげな眼差しを向けて、頭を撫でてくれた。
悩み事があるときはいつも聞いてくれる兄・・・・・・そんな感じで優しく接してくれるから話しやすい。

「俺、友達なんているわけないのにな」
「いや、いるだろォ・・・・・・・」

バン兄さんは苦笑しながら、上半身を起こして向けた。
友達って何なのか知らなかったから、何とも言えない。

「ハルやコウ、ヒロもいるだろォ?」
「そうじゃなくて、同じ年の子だよ」
「ああ、そうかぁ・・・・・・同じ年のヤツらとは仲良くしたいと思ったことないわけ?」

同級生の男子、女子とは仲良くなれる自信がない。
男子で言えば、ただ1人・・・幼馴染の大幡哲也しかいない。

「俺、ケンカに明け暮れてたからさ。ミソラタウンに引っ越すまでは孤独と戦ってきたんだ」

1人ぼっちであることの孤独を感じながら耐え続け、そのストレスを発散させるためにケンカしまくったという記憶しかない。
同級生から嫌われ、不良として浮いているという存在でいるだけで授業中は居眠りすることが多かった。

「友達なんていないし、寂しいよ」
「健太・・・・・・」
「それに比べて、直太は友達がたくさんできたからな・・・アイツが羨ましいんだよ」

バン兄さんのベットで寝ている弟の直太を見て、不満そうに呟く。
そんな俺の様子を見て察したのか、溜息をついた。

「なんだ、そんなことか・・・・・・おまえ、テツとは仲が良いんだろ?」
「うん、テツは俺の幼馴染なんだ。あいつだけ信頼してない」

人間不信で生きてきた俺は誰にも悟らせまいと必死で踏ん張りながら耐えた。
たとえ、悪さをしていても・・・先生たちには怒られまくった。
それでも、他人を信頼することができなくなっていたのだ。

「そうか・・・・・・」
「うん、そろそろ寝るから」

そう言って、ベッドにダイブした。
目を閉じた後、深い眠りに引きずり込まれていった。