二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想 ☆番外編☆ ( No.995 )
日時: 2012/10/09 21:11
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

もう少しでスレが1000になっちゃう!!
短編を終わらせて、番外編のストーリーを進まなきゃ!!
それでは、短編4のラストストーリーを見て行ってください!!

短編4の続き(ハル視点)

場所は打って変わり、河川敷に移った。
その場には、バンと楢崎が対峙しながら睨み合っている。

「山野、テメェには邪魔させられたからよォ・・・・・・」
「その言葉をひっくり返すぜ、おまえには借りがあるんだからな」

何の借りだか知らないけど、中学時代に殴られたとかそういうものなのか?
そう思いながら見つめる眼差しの先には、バンを捉えていた。

「バン・・・・・・」

そう言いながら呟いたその時、コウが私の隣にやってきた。

「バンのヤツ、楢崎には借りがあるんだよな」
「え、どういうこと?」

いったい、どういうことなのか教えてもらえなかったから気になっていた。
コウはようやく、顔を上げて話し始めた。

「中学の時、ヤツと揉めてケンカになったことがあってよ。その時に殴られたことがあったそうだ」

バンが楢崎に殴られた?
いや、そんな話はまだ聞かされていなかったし・・・・・・それなりにケンカしたことがあるのなら、どうりで因縁対決をしかねないわけだと頷ける。

「えっ、そんな話は聞いてないよ」
「ああ、バンはおまえに危害を加えたらダメだろうってことであまり話さなかったんだ」

私を気遣って、話をさせたくなかったからなのか。
それとも、バンは私に言わないで黙っていたことになるのだろうか。

「でも、楢崎が飲み会の場所を突き止めてまで何をしでかすか分かったようなもんだぜ」

コウはフィールドに佇んでいる2人を睨み合いながら、顔をしかめる。
確かに飲み会の場所を突き止めておいて、そこまで来るということは何か理由があるはずだ。

「でも、ケンカしたらやりかねないもんね」
「そうだな」

コウはバンを見据えながら、楢崎に視線を送った。




酒の飲み過ぎで酔いが回っているのか、バンはヒックと呻いた。

「ケンカしようが、勝手に邪魔されては困るんだよ」
「何だとォ・・・・・・」

ボキボキと腕を鳴らす楢崎。
バンは余裕たっぷりの表情を表した上でキッと睨みつける。

「やれるもんならやってみろよ」
「んだと、コラァ---------------------!!」

バンに殴りかかってきたのと同時に、いきなり襲い掛かってきた。
咄嗟の判断で素早く攻撃をかわした瞬間、フッと消えた。

(消えた!?)

消えたかと思いきや、楢崎の背後に姿を現した。
そこで何をするかと思えば、右足を繰り出すバンの姿が映った。

「はぁぁぁっ!」

右足が風のように一閃して貫く技、バンの得意なブレイズキックだ。
その強烈な蹴りを食らったのと同時に楢崎は面食らったような感じで仰け反って倒れ込む。

「ガッ・・・・・・!」

その場に転がり込んだ楢崎は仰向けに倒れ込んだ。
バンは溜息をつきながら、パンパンと両手を叩いた。

「----------------------ったく、とんでもないことに巻き込ませやがって」

溜息をついた瞬間、バンは気絶している楢崎の前までやってきた。
楢崎を見て、目を覚まそうと思いつつもバシッと頬を叩く。

「おい、こんなとこで寝てたら凍えるぜ?」
「山野、テメェ・・・・・・覚えてろよ、今度の借りは後で返してやるよ!!」

楢崎は急いで走り出しながら、河川敷を出て立ち去った。
そんな彼を見送った後、バンは両手をポケットに入れながら歩み寄る。

「あ、ここでお別れな。俺はハルと一緒に帰るからな」
「バン・・・・・・ハルも気をつけて帰ってね!!」

コウや匡子たちと別れて、河川敷を経て帰路についた。



帰り道を歩きながら、バンの背中を見つめる。
幼馴染がいるから安心できるというのもあるだろうけど、何か不安になる。

「おい、ハル」

バンに話しかけられ、不意を突かれたかのようにしてハッとした。

「え、何?」
「居酒屋に居る時、俺の話してただろ?」

まさか、話を聞いてたのか?
いや、寝てたはずなのに・・・・・・どうして?

「もしかして、聞いてたの?」
「まあな・・・・・・」

最初から聞いてたということになるのか!
なんてことだ、バンに聞かれちゃまずい内容だったから聞かれてしまうことになろうとは想像していなかった。

「嫉妬していたってことでいい?」
「なっ、そんなこと言ってないのに・・・・・・」

そう言いかけた瞬間、バンは左手を差し出してきた。
もしかして、手を繋ぎながら帰ろうかということを示しているのか。

「ガキの頃、手を繋いで帰ったからな・・・・・・今回は大目に見てやるよ」
「バン・・・・・・」

カアーッと頬を赤く染めながら、右手でバンの左手を握った。
左手を握りながら、繋いで歩くのは何年ぶりだろうか。

「どうしたんだよ、照れくさそうにしてさ」

もーかわいいんだからとか言って、バンはからかってくる。
そんな彼の様子を見て、からかうのは止めてよって言いたくなった。
それでも、大切な幼馴染がいることには変わりないのだから------------

「ねえ、バン・・・・・・」
「んー?」

手を繋いだまま、歩を合わせて歩いていた足を止めた。
バンはトロンとした目で私を捉えながら見つめる。

「どうした、ハル?」
「いつも私を見守ってくれてありがとう」

感謝の言葉を述べた瞬間、バンは苦笑しながらも私を抱きしめた。
幼馴染として付き合ってきたからこそ分かる、その気持ちを伝えたい。
そんなバンに対して感謝するしかなかったので、改めて礼を言いたいと思っていたのだ。

「何言ってんだよ、いつも心配かけてばっかりじゃないか」
「ううん、バンがいたから・・・・・・・今の私がいるんだよ!!」
「ハル・・・・・・おまえ、そんなことを言えるまでになったんだな」

今頃になって、それに気付くの遅いんだとか言いたそうな顔をしていたが、いつもの優しそうな表情に戻っていた。

「でも、今頃になって言うの遅いんだよ」
「そうだよね・・・・・・」

あはは・・・・・・と言いながら、上手く誤魔化して笑う。
バンは溜息をつき、私を抱きしめながら呟いた。

「俺もおまえのことが心配でたまらなかったよ。でも、立ち直れたみたいで安心したけどな」

笑いながら言うバンを見て、頬を赤らめた。
バンがいなかったら死んでたかもしれないと思った。

「まあ、ハルが無事でよかったよ」
「うんっ!!」

バンの左手を握りながら、手を繋いで帰りたいと思った瞬間。
幼馴染との絆や友情を確認して気付いたけど、バンがいなきゃ生きていけなかったのだ。

「さあ、帰ろうか」

歩を進めながら、帰り道を歩いていく。
夜空の舞う夜中、幸せそうに手を繋いで帰ることができた。



The End----------------------------------------