二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.18 )
- 日時: 2012/07/30 01:37
- 名前: このみ (ID: 3/dSGefI)
第4Q 「海じゃなくてプールに行こう! その1 」
「海行きてーなー」
大ちゃんのその一言が始まり。
『まだ海は早くない?だってまだ五月半ばだよ……?』
「そうなんだよなー……」
「あ、じゃあじゃあ、海じゃなくてプールとかどうっスか!?」
「いいですね」
「俺も行きたいー」
「暫く行ってなかったな……別に楽しみというわけではないのだよ」
「あたしもー。なっちゃんと二年前くらいに行ったのが最後ー」
皆で一斉に、グルンと頭を回して赤司様の方を向く。
その迫力に気圧されたのか、征君は「はぁ……」と溜息を吐いた。
「仕方がないな……。今週の土曜……というか明日、プールに行くぞ」
『「「「「「「赤司/君/っち/征君、マジ最高っ!!」」」」」」』
ガバッと抱き着く(襲い掛かる)。勿論征君の小さな体は倒れて、後でお仕置きされました。
というわけで土曜日。プール。
男子は着替えてもう更衣室を出ていて、近くのベンチに腰を下ろしている。
女子はまだ更衣室の中。
「おせーな……」
「女の子の用意って言うのは時間が掛かるもんスよ青峰っち!」
なんて会話をしながら女子を待つ。
それから二〜三分して、女子更衣室の中から桃井姉妹が登場した。
「「「「「「………………」」」」」」
『「……?」』
「「「「「「(どっちがどっちか分からない……)」」」」」」
いつもならばメガネで判断するのだが、プールだからかなつきはコンタクトにでもしたのだろう。即ちメガネで判断すると言う一番簡単な手が使えない。
しかも二人の水着は同じ。髪形も一緒。スタイルも見た感じ同じだ。
全く見分けがつかない。
一方双子は首を傾げて同じ顔で笑っている。
この二人は声まで似ているから勘弁してほしい。何か喋っても分からないだろう。
沈黙に耐えきれなくなった涼太が、二人に話しかける。
「に、似合ってるっスよ!二人とも!可愛いっス!」
『「ありがとー!」』
だが失敗。これで「ありがとー涼ちゃん!」または「ありがとーきーちゃん!」とでも言ってくれれば判断が出来たのだが……失敗。
そこからまた沈黙が続く。
『どうして皆黙ってるの?』
それを破ったのは、なつき。(男子にはわからないが)
流石に不思議に思ったらしい。怪訝そうにしている。
そこで痺れを切らしたテツヤが、ついに尋ねた。
「お二人の姿があまりにも似ていて、失礼ですが見分けがつかないんです」
「「「「「(黒子/っち/テツナイス!!)」」」」」
二人はその言葉にきょとん、としたあと笑った。
『なんだーそんなこと?早く言えばよかったのに』
「そうだよ。ていうか私達が悪いよね」
『うんうん』
男子が見つめる中、一人がしばっていた髪をほどいた。
(ちなみに二人は、左サイドに一つに纏めてしばっていた)
そして逆サイドにしばり直した。
『「さて、どっちがどっちでしょう?」』
「早く教えろ」「そっスよー。分かんないっス」「全く分からないのだよ」「逆にどう見分ければいいか訊きたいな」
『「……ムッ君は?」』
何も言わない敦に二人は問いかけた。
敦は「んー」と少し唸って、右サイドにしばり直した方を指さした。
「こっちがなつちん、かなー。で、こっちが桃ちんかなー?」
『「……!!すごい、なんでわかったの!?」』
見事大当たり。なら最初から敦が見分ければよかったのではと男子組は思った。
((で、どうして?))
(んー。なんかねー、俺を見る目がちょっと違う……気がする)
((へぇ〜))
(((((わかんねー)))))