二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.210 )
- 日時: 2012/10/04 19:38
- 名前: このみ (ID: N5yVg.Pp)
- 参照: http://yaplog.jp/momizi89/
第16Q 「僕等はどこまでも、 part9」
いじめられていること。
さっちゃんを憎んでしまっていること。
夢の内容。
泣いていた理由。
助けてほしいこと。
全部全部、話した。
途中から涙が出てきて、しゃくりあげながら喋った。
むっくんは相槌をうちながら聞いてくれた。
涙が流れたときは親指ですくってくれた。
さっちゃんが憎いと言ったときも優しく笑ってくれた。
助けてほしいと言ったときは頷いてくれた。
話終えたときは、抱き締めてくれた。
大丈夫だと、言ってくれた。
『ヒック、……っぅ、ふっ……うっ、』
「頑張ったね、なつちん」
『っ、うん、』
こんな私に、頑張ったと言ってくれた。
それが、私が一番欲しかった言葉だったのかもしれない。
その日の夕方は、ずっと抱き締めてもらいながら泣いた。
『ご、ごめんね……。あんなに、……泣い、ちゃって……』
「謝ることねーし」
むっくんはその大きな手で私の頭を撫でた。
それにまた泣きそうになって、必死に堪えた。
『ありが、とう……』
「うん」
彼は、珍しく笑って、頷いた。
そう言えば、部活はどうしたのだろうか。
訊けば、彼は私を探すという名のサボりをしたらしい。
ちゃっかりしていらっしゃる。
「なつちん」
『……?』
もう七時。彼の表情は街灯の光に照らされている。
だけど、その表情はどこかつかめない。
何を思っているのか、わからない。
ああ、でも。
私は、こんな顔をした人達に、たくさん会っている。
どんな場面だっけ。
一人じゃなくて、複数。
皆、男の人。
顔を赤く染めて、真剣な表情で……。
覚悟を決めたような。
あ。
「好きだよ」
そうだ。
私が、告白されたときだ。
私に告白してきた人たちは、みんなこんな顔をしていた。
「好きだよ、なつちん」
今まで私は、こういう時に。
なんて、答えてきたっけ。
「大好き」
「だから、付き合ってください」
妹と赤く染まった紫色、終。
(彼の顔は赤い)
(私の顔も、赤かったりして)