二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.217 )
- 日時: 2012/10/05 16:07
- 名前: このみ (ID: N5yVg.Pp)
- 参照: http://yaplog.jp/momizi89/
第17Q 「僕等はどこまでも、part10」
顔が赤くなるのがわかった。
そして、返答に困った。
告白されたときに、こんな風に困ったことなんて一度もなかった。
だって、答えは相手を見る前に決まっているから。
もちろん、NO。
でも、むっくんは違う。
どこが違うかって、断る要素がないのが。
今までの男は、顔目当てだった。
むっくんも顔目当てなのかな。
そうじゃないのだとしたら、私は、なんて答えればいいのだろう。
さっちゃんではなく私を選んだ彼に、何と言えばいいのだろう。
私が固まっていると、むっくんの手がこちらに伸びてきた。
そして、
「なつちん起きてるー?」
『痛い……』
ほっぺをつねってきた。
地味に痛い。
「起きてるねー。良かったー」
聞き逃してなくて。
彼がボソッと言うのが聞こえた。
あ、本気だ。
その時点で、分かった。
相手が本気ならば、私も本気で答えなければならない。
口を開こうとした時、
「あー、ストップ、ストップ」
『……?』
「まだ、言わないで。返事は、あいつらをどうにかしてから」
『……どう、して……?』
「俺のー。カッコイイとこ見てからー。返事してほしいなーって」
まっすぐ見てくる彼に、私はただ頷くことしかできなかった。
次の日の朝、一軍レギュラー、一軍マネージャーが部室に呼ばれた。
厳密にいうと、私は一軍マネではなく、二軍や三軍を育成する係なのだが、私も呼ばれた。
理由は一つ。
「お前ら。桃井姉妹を苛めたやつに…………お仕置きする時間が、来た」
征君がそう言う。
さっちゃんには私から、むっくんに助けを求めてしまったことを話した。
さっちゃんは私だけが呼び出されたのを知って、涙を流し、私を抱きしめながら何度も謝っていた。
昨日の夜はずっと二人で泣き続けた。
おかげで、二人とも目が少し腫れている。
「漸く、二人が弱音を吐いたよ」
「おっせーよ」
「遅すぎます」
「なんでもっと早く言ってくれなかったんスかぁ!!もう!」
「お前たちは一人で……いや、二人で抱え込みすぎなのだよ」
「もっと頼ってよーさっちん、なつちん」
私は、こんな仲間を持って、幸せです。
双子と仲間、終。
(今まであった辛い出来事は、)
(この日の為に、あったんだね)