二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.249 )
日時: 2012/10/07 22:23
名前: このみ (ID: N5yVg.Pp)
参照: http://yaplog.jp/momizi89/

第21Q 「僕等はどこまでも、part14」




『さっちゃん、私、ちょっと先生に……呼ばれてるから……、先、帰ってて……もらえる、かな……?』
「わかったよー!じゃ、先に帰ってるね!!青峰君、帰ろー!」
『あり、がと……』

ドキドキする。
これから、むっくんに会いに行きます。
返事を、しなきゃ。

『むっくん、あの……』
「んー。教室にいるから、あとできてー」
『わかった……』

頭を撫でて行った彼の背中を、ずっと見つめた。

五分後、征君も涼ちゃんも真君も皆帰ったから、教室に向かう。
むっくんの教室は……、あった。ここだ。

『失礼、します……』
「こっちこっちー」

むっくんは教卓に座っていた。
私は正面に立つ。

『あの……』
「……俺さー」
『う、ん?』
「覚悟してるからー……何て言っても、いいから」
『……』

そう言った彼が、どこか悲しそうな顔をしていて、こっちがなんだか悲しくなってしまった。
覚悟とは、何のことだろう。
私が覚悟しても、むっくんが覚悟することなんてあるのだろうか。

『なんで、覚悟……?』
「え、だって……断られるかもだし」
『……』
「……」
『…………』
「…………」




『好きだよ。
……むっくんが、好きだよ……。
お菓子食べてるときの顔も、バスケしてる時の顔も、怒ったときの顔も、全部……。
今日、すっごく……かっこよかった。
あんなに怒ってくれて……嬉しかった。
大好きです。
こんな私と、付き合ってくれますか?』



心臓がバックバックと音を立てる。
そりゃあもう外に漏れてるんじゃないかってくらい。
彼にこの音が聞こえないように、胸に手をあてた。
むっくんが、ゆっくりと口を開いた。




「困ってる顔も、笑ってる顔も、泣いてる顔も、寝てる時の顔も、真剣な時の顔も、怒ってる時の顔も、好きだよ。
俺、わがままで、お菓子ばっか食って、だらだらしてるけど、
それでもなつちんは、付き合ってくれる?」




『私は、そんなむっくんが好きだよ』



「……なつちん、好き。大好き」



『私も、大好き。むっくんが好き』




視線を交えた。
お互いに吸い込まれるように、近づく。
静かに重なった二人が、夕日に照らされた。



なつきと紫原編、終。
(初恋のジンクスなんて、)
(信じちゃダメよ)