二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.3 )
- 日時: 2012/07/21 17:22
- 名前: このみ (ID: 3/dSGefI)
第2Q 「双子の苦労」
昼休み、学校の裏庭。
そこで男女が向かい合って話をしていた。
「前から廊下とかで見かけてて、いいなって思ってて……!つ、付き合って下さい!」
『…………』
よくあるベタな展開。
こっちに戻ってきてもう三回ほど同じような光景を見た気がする。
もちろん断っていたのだが。
その理由が————。
『どっちをですか?』
「へ?」
『見かけててって……私をですか?それとも、さっちゃんをですか?』
校舎の陰から出てきた同じ容姿の少女。
「ふ、双子ォ!?」
『「どっちですか?」』
「っ…………」
困った少年が言った言葉は……。
「付き合ってもらえるなら、どちらでもっ!!」
その言葉に、さつきは溜息を吐いてスカートを翻してどこかへ行ってしまった。
なつきは無表情のまましばらく何も言わなかったが、20秒ほど経ってから先程のさつきの様に溜息を吐いた。
『まぁ、貴方は一年生だし、私達が双子って知らなかっんだろうから……。怒りはしないですけど。
付き合ってもらえるならどちらでもいいなんて、最低ですよ』
それだけ言って、さつきを追いかけた。
「有り得ない!」
『まぁまぁ、どうせ断るつもりだったし、いいじゃない』
「そうだけどぉ、でも」
『ほら、まだお昼食べてないんだから早く戻ろうよ、ね?』
「むぅ〜〜〜〜」
唸るさつきをズルズルと引っ張って教室へ戻る。
急いでご飯を食べていると、色んな色をした頭の人達がゾロゾロとやって来た。
「なつきっち、見たっスよ!告白されてるところ!で、OKしたんスか?」
『断ったよぉ〜』
「そいつ私達が双子って知らないで告白して、付き合って貰えるならどっちでもいいとか言い始めたんだよ!?」
「最低なのだよ」
「双子も大変だな」
『でも最初から断るつもりだったんだから、いいの』
「最初からとか何気に酷いな」
『そう?』
モグモグと卵焼きを食べながら大ちゃんの方を見る。
そこで、ムッ君がさっきから熱い視線をぶつけているのに気付いた。
『どうしたの?』
「なつちん、お菓子持ってない?」
『あるよ。食べる?』
「いいの?」
『いいよ〜』
鞄からお菓子の箱を取り出して渡す。
「わーい、ありがと〜」
『いいえ〜』
のほほんとした会話に、さつきは本日二回目の溜息を吐いた。
(双子って大変……)
(そりゃあそれだけ顔が似てれば間違うだろうよ)
(髪を切ってみたらどうなのだよ)
(メガネで判断してよ)