二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.412 )
日時: 2012/11/03 22:44
名前: このみ (ID: q7aY8UsS)

第31Q 「笑って」



様子がおかしい。
今日の試合の途中、そう思った。
いつも笑ってプレイしていた大ちゃんが、笑わなくなった。
テツ君とも、拳をぶつけなかった。
何故。
それは、その試合のビデオを見たときに分かった。

『強く、なりすぎた……?』

大ちゃんが、強くなりすぎてしまったのだ。
相手は止めることを、勝つことを諦めた。
大ちゃんと向き合おうとしなかった。
それ故に、笑わなくなってしまった。
でもそれをどうにかすることは、私には出来ない。
私は見ているだけだ。
どうすることもできない。
何故なら、私は選手ではないからだ。
ベンチでコートを見ているマネージャーだから。
でも、彼なら。
テツ君なら。
どうにかすることも、出来るかもしれない。
私は期待を込めて、携帯の電話帳を開いた。






『じゃあテツ君、お願いね』
「はい。昨日言われた通りにすればいいんですよね。……というか、僕も気になってたので」
『やっぱり……。本当に、お願いします』
「頑張ります」

次の日の放課後、私達は体育館の隅で喋っていた。
内容はもちろん、大ちゃんのことについて。
テツ君も様子がおかしいと思っていたらしく、快く了解してくれた。
頼もしい限りである。

『「大ちゃん(青峰くん)が、皆(皆さん)が笑ってバスケをできますように」』

そう言って私達は拳をコツンとぶつけた。






「青峰くんより強い人なんて、すぐ出てきますよ」



でも、



『勝たなくていい。楽しんでくれれば、それでいいの』



意味は、



「俺に勝てるのは、俺だけだ」



なかった。



あとがき

今回短くて申し訳ない。
いつもより400字も少なかった……!!
なんかプロローグとかみたいに思って下さい。