二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.417 )
- 日時: 2012/11/03 23:27
- 名前: このみ (ID: q7aY8UsS)
第32Q 「確信」
大ちゃんが、部活をサボるようになった。
さっちゃんはなんとか連れ戻そうとしていたけど、効果はなかった。
そして、他のみんなにも変化が現れ始めた。
でもそれは『確信』しているわけではなかった。
だから、は違うな。うーん……ああ、否定してもらうためだ。否定してもらうために、私は一人一人に質問をした。
認めたくなかったから。
『ねぇ、真くん。バスケ好き?楽しい?』
「俺は楽しい楽しくないでバスケはしていないのだよ」
真くんが放ったボールが、スパンッといい音をたててゴールに入った。
結果、彼は変わってしまった。
私はそう、と呟いて、その場を去った。
『ねぇ、涼ちゃん。バスケ好き?楽しい?』
「うーん……まぁ勝つのが普通ッスからねぇ……。
よくわかんないッス」
『……そっか。ごめんね』
彼も、変わってしまった。
『ねぇ、征くん。バスケ好き?楽しい?』
「勝つのは当たり前だからね。好きやら楽しいやらで物事を捉えたことはないな」
『……そう』
彼も。
『ねぇ、大ちゃん。バスケ好き?楽しい?』
「あー……めんどくせぇ。つーか屋上まできて聞くことがそれかよ」
まあ、分かっていたが彼も。
『ねぇ、敦。バスケ好き?楽しい?』
「体がでかいから始めただけだし。てか才能ないやつが努力してるのとか見んのウザイから嫌い」
その言葉に、私は静かにキレた。
理由はいい。体が大きいから、という人はたくさんいる。
でも、ウザイから嫌いっていうのは、それは。
『じゃあ敦は、私のこともウザイとおもってるの?
私が才能なくて、それでもマネージャーここまでやってきたの知ってるよね!?
どうしてそういうこと言うの!?』
久しぶりに怒って。たくさん喋った。
「……確かになつきが頑張ってるところは見たよー。でもなつきがウザイわけじゃないかなー彼女だし。」
……そうなのか。でも、私以外の人がウザイというわけであって。
なんだか、いい気分にはなれない。
「あーでも。黒ちんとか、ウゼーなーとは思う。
なんであんな真剣なのかさーわかんねーし」
……彼も、変わってしまった。
結局分かったことは、みんな変わってしまったということだった。
才能故の変化。
なんて寂しいんだろう。辛いんだろう。
どうして、変わらずにはいられないのだろう。
みんなでこのまま笑いあっていけたら、私はそれでいいのに。
ただ、それだけだったのに。
どうしてと空に叫んでも、返事は返ってこない。
(幸せを望んだわけではなかった)
(でも、だからといって)
(不幸になりたかったなんて、思ってないよ)