二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.505 )
日時: 2012/11/22 22:29
名前: このみ (ID: DSoXLpvQ)
参照: http://nanos.jp/yukidarumanote/

番外編




君のことを考えるだけで、幸せだった。

泣きたくなるくらいに、好きだった。

この人と大人になっても、一緒にいると思っていた。

愛していた。

全部全部、過去形で。

それがさらに私を苦しめる。

あんなにも好きだったのに、どうして。

どうして私たちは、離れなければいけなかったのだろうか。

彼が変わってしまったから。

私に罪を被せないとしたら、そう言い切る。

でも。本当は、本当に変わったのは、彼だけじゃない。

もし私が、彼のすべてを受け入れることができたのなら、こんなことにはなっていなかったはずだ。

彼も私も、お互いを愛していたことに変わりはないのだから。

過去を過去として割り切ってしまえば、それはそれは青春で、青くて、甘酸っぱくて、後から笑えるようなことばっかりで。

それでも私が過去を清算出来ていないのは、過去を振り返ると胸が痛いのは、私の心がまだあそこにあるから。

どんなにはっきり喋ったって、服の趣味を変えたって、明るくふるまったって、髪型を変えたって。

私の心はいつまでも置いてけぼりで、中学生のままで。

辛くて、辛くて。

だって後ろでは光が涙を流していて。

またその後ろでは、比べ物にならないくらい、光り輝いていて、まぶしくて。

もっと後ろでは、まだか弱いけれどまっすぐな光が射していて。

どうして私は彼を、彼らを救えなかったのだと、後悔ばかりで。

後悔したって、私にはどうしようもできなくて。

友達を利用して、彼らを変えようとして。

最低なことだって、わかってる。こんなのは、ただ責任を押し付けただけだと。

でも、でも、それでも、彼らの笑顔が見たくて。

好きだったのは、彼だけじゃなかったから。

本当に本当に、彼らが大好きだったから。

最低だと言われようと、友達が私から離れようと、好きだから。

一人だけを支えるんじゃなくて、全員支えたかったから。

堕ちた。




私はあの頃の彼らを求めて、今日も街を駆ける。