二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.520 )
日時: 2012/11/24 22:26
名前: このみ (ID: DSoXLpvQ)
参照: http://nanos.jp/yukidarumanote/

番外編 「帝光祭 part1」

※中学二年



今日は学校祭です。
私のクラスは、メイド喫茶をやります。
なんでそんなにベタなのとか突っ込んじゃいけない。
しかもなぜか男子も女子用のウェイトレスの制服を着るのである。
その気持ち悪さったら……。
いや、ね?もし涼ちゃんとかきれいな男の子がやるんだったらいいんだろうけどね?
ふっつーの男子ですよはい。ごついわけですよ。
しかもしかもしかも。
女子のウェイトレスは私だけなのである。
なんでも、男子の中に女子一人、それも学校一を狙える子を放り込むことで、魅力を引き立たせるとかなんとか。なんで私なんだ。わからぬ。
でもまぁ私は裏方希望で、ずっと表に立たせるのは悪いから、ということで、後半に少し出るだけでいいということに。
私がいない間は普通に女子も何人かいるらしい。

『なのになんで私ウェイトレスの服着てるの……?』

ピンクと白の、フリッフリの服である。
このスカートの役割はあるのかと叫びたくなるほど短いスカート、むちっとなるようにわざと一サイズ小さいのを注文した二—ハイ。
大きく開いた胸元。二の腕まである白い手袋。チョーカー等。
しかも髪の毛はパーマをかけられ(許可を出した校長先生の気持ちが知れん)、ツインテールにされた。
恥ずかしいことこの上ない。

「始まる前に、いろんなクラスに宣伝行ってきてね!!一クラスも余らずよろしく☆」
「これでうちの売り上げは……ふふふ」
「もちろんその格好でお願いね〜!」
「あ、紫原くんにも見せておいでよ!!」
「何て言ってたか後で聞かせてね!!」
「宣伝終わったら着替えて遊んできていいから!!」
「「「「行ってらっしゃ〜〜い!!!!」」」」
『……泣』

ということで、開店の四十五分前、私は教室から追い出されたのである。



教室を出て、一年生のフロアに行こうと階段に向かった時、青色の彼と会った。
ていうかいろんな人の視線が痛いんですけど……。
お願いだから写真はやめてほしい……。

『大ちゃん……!』
「んぁ?んだその格好……。誘ってんのか」
『そんなわけないでしょ……!もう……メイド喫茶の宣伝してるの』
「ふーん……。あ、さつきのクラスには行くなよ」
『どうして……?』
「……行けばわかる」
『は?』

自分で行くなとか言っておきながら行けばわかるって……。
どういうこと、と聞く前に、彼は人ごみの中に溶け込んだ。
いや、実際溶け込んでないけどね、長身と青い髪が目立ってるけどね!!
まぁ後で行くしいいか、と考えながら、短すぎるスカートの裾を抑えて階段を駆け下りた。



一年の教室をすべて回り終わったころには、私の体力はもうなかった。
行く度にキャーキャーと騒がれ、女子には抱きつかれ、サインをくれとせがまれ(そんな有名人じゃないんだから)、男子には告られて……。写真はやめてと叫んで……。
たった十五分の事なのにすごく疲れた。
とりあえず三年生のフロアに行く前に、ベンチに座って足を休める。
ローファーって履きすぎると痛いのね……。
ふぅと息をついて下を向いたとき、目の前に影ができた。

「なつきか?」
『あ、真君……』

顔を上げると、真っ赤に頬を染めた緑の彼がいた。
もちろん手にはラッキーアイテム。今日はホラ貝らしい。

「そそそその破廉恥な格好はなんなのだよ!!??」
『えっハレンチ?まぁ、確かに……。クラスの出し物で、メイド喫茶をやるから、それの制服、だよ』
「いい今から着る必要はないだろう!」
『各クラスに、宣伝してこいって……追い出されちゃって……。後で真君のクラスにも行くよ』
「〜〜〜っ!おお俺はもう行くのだよ!」
『え……。あ、うん。バイバイ……?』

なんなんだ、と思いながらも、彼を見送った。

『さて、三年生行きますか!!』




『もう私動きたくない……』

最後のクラスから出たとき、なつきはたまらずそう呟いた。
一年生の時よりはまだよかったが、とにかく疲れた。
よろよろと歩いていると、大丈夫ですか?と声をかけられた。
振り向くと、テツ君の姿。燕尾服の。

「お疲れ様です」
『ありがと……。本当に疲れたよ。皆学校祭だからってテンションあがりすぎじゃないかな……』
「しょうがないですよ。一年は初めての学校祭ですし、三年は逆に最後の学校祭ですから」
『そうだけど……』

二人で歩きながらあそこのクラスは面白そうとか、美味しそうとか、普通の会話をする。

『テツ君と話すと癒される……!!』
「え、急になんですかw」

だって周りに濃い人たちしかいないんだもの。
普通の会話を楽しみましょうよ。

『あ、私二年のフロア行くけど……。テツ君は?』
「僕は行くところがあるので、このまま」
『そっか。じゃあ頑張ろうね!』
「はい」

ちょっと元気でた!頑張ろう!







part2に続く。