二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 10000打企画開催中! ( No.581 )
日時: 2012/12/12 14:48
名前: このみ (ID: DSoXLpvQ)

リハビリ作。





ボロボロになりながらも、彼は最後まで諦めなかった。
きっと元に戻せると信じて、泣きながら走っていた。
私は自分も戦うと言いながらも逃げて、彼とは大違い。
だって、と言い訳をすることは許されない。彼が言うのならばともかく、私は逃げたのだから。
彼は私に変わらないでくれと言った。私は変わらないよと言っておきながら変わった。
無責任な奴だと罵ってくれればいいものを、彼は何も言わずにただただ真っ直ぐに私を見つめた。
今ならわかる気がする。皆が彼から目を背けた理由が。
彼は自分を影だと言うけれど、彼は光だ。
バスケにおいては確かに影だ。けれど、日常の中で、彼は影ではない。
その目は光を放っていて、どこまでも真っ直ぐで。
見るのが辛い。
見返すことなんて出来ない。だって私は間違ったことをしているけれど、彼は何もしていないのだから。正しいことを私たちに伝えようとしているだけなのだから。
道を誤った私たちが、どうやって彼を見ることができようか。
でもそのせいで、私たちが目を背けたせいで、彼が辛い思いをしているということはわかってる。だからと言って、私は彼を見ることはできないのだ。
見え透いた嘘をついて、彼に私は変わらないと言って、目を逸らした。
一番酷い。私が一番。
皆はこんな風に期待なんかさせなかった。背けたらもう振り向かない。彼を見ない。彼を認めない。
でも私は彼を認めて、ちらちらと振り返って。
一体私はどうしたいのか。それすらもわからずに。
中途半端で、どこに属しているのかも不明で。
こんな自分は嫌だ。消えたい。いなくなってしまえばいい。
そうすれば、彼は私の事を気にせず、彼らだけに集中できるのだから。
そうだ。消えてしまえば……。

『……最低な私、さようなら』

それがまた逃げることだとわかっていても、行き止まりの道を選んだ私には、これしかないのだ。

『もう、二度と』

そうやって結局言い訳をして、目を逸らす。

『会いませんように』






(上から街並みを眺めて)
(体を傾かせた)




リハビリ作です。
しばらくしたら消しますっっっ