二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ワンピース】-喘ぐサファイア ( No.8 )
- 日時: 2012/07/29 20:21
- 名前: 優騎那 (ID: H8Xp0wSz)
「(寝顔だけはかわいいよな。寝顔だけは)」
肩をすくめたフォークスは、自分の相棒をシャボンが浮き出る緑の地面に寝かせた。
近くの壁に栗色の髪を純白の元結でサイドテールにしている赤い目の美男が手配されていた。
その隣には風になびく指通りのいい黒髪に、濁りのないメタルブルーの美女の写真がある。
「"氷のルビー"フィオレータ・ゴドリック。懸賞金4億5千万ベリー……。
"サファイアの化身"アルヴィット・フォークス。懸賞金7億4千万ベリー。また上がったな」
空虚な声でフォークスはつぶやいた。
初頭の手配で懸賞金額が億を超えていた2人にとって、懸賞金など意味がないに等しいものだった。
「………起きろ」
フォークスは指の長い手でゴドリックの髪をくしゃくしゃにした。
「起きてやるよ」
目は空いていないが蠱惑的な声はした。
起こされておいて偉そうなゴドリックは重たそうに瞼を上げて、体を持ち上げた。
「お前な、けが人に膝枕位してくれたっていいだろ!?」
「オレは男に優しくしないんだ」
「おれ女なんですけどォ!?」
男扱いされるのには慣れてすぎているが、長年連れ添ってこの扱いはひどいと感じたゴドリックだった。
「で、次は魚人島に行きたいんだろ?」
フォークスは赤いハイヒールにすっと足を通した。
「生きたいけど、コーティング船がないんだよな」
「それがなくても行けるぞ」
「え?どうやって?」
形のいい唇をフォークスはわずかに緩ませた。
「こうするんだ」
フォークスはゴドリックを横向きに抱きかかえた。
いわゆるお姫様抱っこというやつにゴドリックは頬を目の色に負けずとも劣らぬほど赤らめた。
「は!?おい!!フォークス!!降ろせ!!」
「嫌だ」
「嫌だって…んっ……」
フォークスはゴドリックの唇に自らの唇を重ねあわせた。
「何すんだよ!!」
「怒るな」
「怒るに決まってんだろ!!いきなりキスなんかしやがって!!」
いくら相棒とはいえど、ゴドリックの逆鱗に触れてしまったことを全く反省しない。
「まァ、お楽しみはこれからだ」
フォークスはゴドリックを抱きかかえたまま海に飛び込もうと宙に大ジャンプした。
「おい!!おれ能力者だぞ!!」
「安心しろ」
フォークスとゴドリックは海に沈んでいく。
彼の下半身はクロカジキの尾びれに変化した。
肌に水が当たり、心地いい。
『息…できる?』
『水中人<マーピープル>の能力だ。キスをした相手は悪魔の実の能力者だろうと水中で泳げるし、息ができる』
『すげェ!!』
ゴドリックは能力者である自分が水中で泳げるどころか、息もできることに驚いた。
『行こうぜ。海底の楽園』
『おう!!』
ゴドリックはフォークスに手を引かれ、世界最速の遊泳速度で2人は海底の楽園へ向かった。