二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ワンピース】-喘ぐサファイア ( No.16 )
日時: 2012/07/31 18:14
名前: 優騎那 (ID: u0xvo3rP)

「違う。次!!」
「はい!!」
「似合わねェ。次!!」
「はい!!」
「もっとましなやつだ!!次!!」
「はい!!」

ゴドリックはフォークスの厳しいスタイリングチェックのせいでへとへとだった。
彼はカリカリしていて、声をかけづらい。
何せ、怒った時のフォークスほど冷や汗をかく物はない。

「新聞あるか?世界情勢は一応知っておきたいんだ」
「はい。こちらに」

フォークスに手渡された新聞は今日の日付になっていた。

「"麦わらの一味復活"か……」

フォークスが最も興味を示し、最も嫌う海賊の一団が一面のトップを飾っていた。
2年前、突如姿を消した麦わらの一味が復活。
"偉大なる航路"の後半、ひと呼んで新世界に向かうために魚人島へやってくると推測したフォークスはあることを企てた。

「こちらでいかがでしょう?」
「………」

白いシフォンワンピースに、つばの広い帽子をかぶされたゴドリックがそこに居た。

「(まァ、ゴドリックは顔はいいし、女だからワンピースを着れば美人になるよな……)」

フォークスは手を顎に当てて考えた。
ゴドリックは無表情で何を考えているのかわからなかったが、戦闘向きの服が着たいのはなんとなくわかった。

「もっと動きやすい奴にしてくれ。戦闘で大暴れしても大丈夫な服で頼む」
「かしこまりました」

店員は恭しく頭を下げて、店の奥に行った。

「ここの店高すぎじゃない!!もう少し安くできないの!?」
「(うるせぇ……)」

女の金切り声がフォークスの耳に飛び込んできた。
声の主を見ると、腰までの長いオレンジの巻き髪に、オレンジ色の目を持っている。
そして抜群のスタイルを惜しみなく露出しているこの美女は、海賊麦わらの一味の航海士、"泥棒猫"ナミだった。

「(まさかこんなところで出くわするとはな。だが、あの女は結構使える)」

誰も知りえない。
その時フォークスが狂おしく笑ったことを。