二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ワンピース】-喘ぐサファイア ( No.93 )
日時: 2012/08/09 16:34
名前: 優騎那 (ID: sLixnwLP)

「おおおおおお〜〜〜〜〜!!!バンダ—・デッケンがしらほしを追って行ってしまったァ!!!」

王の威厳を忘れたネプチューンが一人の父親として泣き叫ぶ。

「頼むんじゃもんお前たち!!欲しい物なら何でもやる!!!デッケンを追わせてくれェ!!!金銀財宝でも、兵士達の命でも何でもやるもん!!!」
「「コラコラ国王!!!」」

左大臣と右大臣がさすがにそれは行き過ぎだとキレた。

「無様な姿だネプチューン…!!!まさか因縁の"麦わらの一味"が竜宮城制圧に力を貸してくれるとはな………!!」

ゾロやナミたちからすれば、向こうから襲ってきたから応戦しました、というだけなのだが、ホーディには手を貸してくれたように見えたらしい。

「…ぬぅ……。ジンベエより[魚人街]に不穏な動きがあるとは聞いてはいたが……。
もともとネプチューン軍に属したお前が主犯とは…!!恥を知れホーディ!!!」
「ジャハハ。恥?それはネプチューン軍としておれが高い誇りを持っていたらの話。
かつて兵士として仕えたのは、実戦での戦闘技術を身に着ける為、それだけだ。おかげで強くなれた…!!!」
「貴様…!!!」

右大臣はただ唇を噛む。

「ガキの頃から目にしてきたのは理不尽に虐げられる魚人族…!!憧れたのはそいつらの鼻っ柱をへし折る"アーロン一味"の野心!!!
オレタチはその意志を再興する"新魚人海賊団"だ!!!」
「!!!」

ナミの顔色が青くなる。
それはウソップも同じだった。

「………!!!こいつら、アーロンの意思を組む魚人達なのか!!?」
「ええ!?アーロンの!!?なーんちゃってアーロンって私まだ食べたことないんですけど———!!ヨホホホ痛いっ!!
ちょっとウソップさんなぜ蹴るんですか!?」

ホーディが扉の近くの壁に手を這わせた。

「粗鮫—ソシャーク—!!」

握るように手に力を込めた。
すると、バキバキッと壁が割れ、その割れ目から海水が流れ込んできた。

「ぎゃ〜〜〜〜!!!城壁が壊れたァ〜〜〜〜!!!」
「しまった城内に海水が!!!」

赤いハイヒールをはいた足がパシャ、パシャ、と水を歩いてネプチューン軍に迫る。
水音が鳴るたび、緊張が高まる。

「お主…アルヴィット・フォークス……!!タイヨウの海賊団の者がなぜこいつらに組するのだ!!」
「組する?バカ言うな。オレはある男を探している。そして、その男がこの島にいることは分かってるんだ。人間っていうだけで、お前らも殺してやりたくなるが、やめておこう…」

オレが殺したいのはお前らじゃねェ。
そういうとフォークスは濡れた左腕を振り上げた。

「伏せろ!!あれが来るぞ!!」
「矢武鮫—ヤブサメ—」

鞭を振るうようにフォークス腕を振るうと、勢いづいた水滴が矢のごとくネプチューン軍と麦わらの一味を襲う。

「「「!!!」」」

全兵が驚いた。
見えない結界が張られているかのように水の矢はただの水に変わった。

「な、何が起きたんだ!?」
「刺されると思ったら、何ともない…。無傷だぞ……!!?」

赤い目がメタルブルーの眼を射抜く。

「でかぶつ…!!あいつ何する気…!?」

アリスが戦々恐々としてきた。

「分からねェ……」

腰まである長い栗色の髪をうなじのとことでまとめた美男が立ちはだかり、声を発し、前髪をかき上げた。

「なぜお前はそこまで人間を憎む!!?なぜ憎いはずの人間であるおれと旅をしてきたんだ!!!」

答えろよ!!!
ゴドリックが今にも涙があふれ出そうな声で叫ぶ。

「人間を憎むほどの経験が嫌というほどあるからだ。オレを殺すつもりでかかってこい。殺人はくノ一の得意分野だっただろ?」

殺人はくノ一の得意分野?
ゴドリックは何のことを言われているのかさっぱりわからない。
そんな彼女の心情を知ってか知らずか、フォークスは拳を握った。

「オレを殺さねェと、お前の記憶は一生戻らねェと思え!!!」
「だったら、テメェを海に沈めて絶対に思い出してやるよ!!!」

ゴドリックは角の少ない武装色をまとったプラチナのクナイを両手に装備した。

「行くぞ!!!」

ゴドリックはただの一度も出したことのない恨みの声と言葉を放った。






裏切り者!!!