二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ワンピース】-喘ぐサファイア ( No.94 )
日時: 2012/08/09 17:16
名前: 優騎那 (ID: XK9MY/AM)

水かさがどんどん増してくる。
能力者であるゴドリックにとってはきついが、水中人—マーピープル—のフォークスはこれ以上ないほど有利な足場だった。

「剣はやめたのか……」
「クナイの方が性に合ってる」
「へぇ……」

ゴドリックはフォークスが狂おしく笑った気がした。

「お前、不思議に思ったことはないのか!?」
「何がだ!!」

武装色のクナイと武装色の拳がぶつかり合い、衝撃波を産んだ。
拳とクナイが相対する音とは思えない太刀音が響き渡る。

「お前が自我を持った時から、その元結とピアスがそばにあること!!
体術、忍術、幻術、クナイの扱いに慣れていること!!
オレを相棒と慕い、信じていること!!」
「(はっ……!!思えば…確かに不可解な事ばかりだ……)」

ガキキキンッ!!
周りの喧騒、自分たちが奏でる太刀音の中に居ながらも、互いの声は聞こえた。

「大体、なぜ得体のしれないオレのことを信じられる!?」
「……!!」

ゴドリックはフォークスに言われて初めて気づいた。

自分は、フォークスのことを何一つ知らない。
でも、なぜか体が勝手に動く。



——————なぜだ……?——————



「隙を見せるなんて、忍らしくねェな」

フォークスは握っていた拳を開いた。

「叉乱れ—さみだれ—!!!」

武装色をまとった指がゴドリックの腹を貫いた。

「がはっ……!!」

ゴドリックの目は血が染まったような色になり、口から血を吐いた。
フォークスの腕は彼女の血で赤い腕になっていた。
かと思われたが、ゴドリックも、血も消えて、あとにはサンゴが残っているだけだった。

「"七変化"か……!!」
「こっちだ」

頭上から蠱惑的なテノールが聞こえた。
上を見ると、いつの間にそこに居たのか、ゴドリックが宙に浮いていた。

「おれからもお前に聞く。なぜお前はおれに執着する!?」

頭から槍のようにゴドリックは突っ込んでくる。

「どうして、小指にしている指輪を見て悲しい顔をする!?」
「お前…!!そんなことに気が付いてやがったのか…」

ゴドリックが真正面からフォークスに突っ込み、クナイを握りしめたままパンチを繰り出した。

「それも人間が絡んでるのか!!」

彼女は目を見開き、口から蛇のような舌がちろちろのぞく姿をさらした。

「…………!!」

そんな彼女の姿を見てフォークスは、暴走する前に止めようと拳を拳で握った。

「くっ………!!」

ゴドリックは口元を悔しさに歪め、表情が眉一つ動かない相棒の顔を見つめた。

「うラァ!!!」
「ぐあっ…!!!」

女性にしても男性にしても大柄なゴドリックの体を後方を振り返り、投げ飛ばした。
ゴドリックは抗うことできず、城壁に激突した。

「ウスラバカが……!!一騎打ちの勝負で化けモンがでしゃばるんじゃねェよ……!!!」