二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマGO 光の氷炎姫(アイスファイアプリンセス) ( No.482 )
日時: 2012/09/16 17:03
名前: 姫佳 ◆MWOkRuxz12 (ID: uj1WcIuh)
参照: ショッピングに行ってきますた^p^

第17話「輝姫の過去」


太陽「サッカー観戦に行く途中に亡くなったって…?!それ、どういうことですか?!」
直紀「…輝姫の話によると、突っ込んできたトラックに撥ねられたらしい。」
太陽「直にぃ…、知ってたの…?」

直紀は小さく頷いた。

ティアラ「…それじゃあ話すね。輝姫の過去を…。」


輝姫は1週間後に、10歳の誕生日を迎えようとしていた。

輝姫「サッカーの試合?!」
父「ああ。輝姫、来週誕生日だろ?だから、誕生日プレゼントとしてサッカーの試合を見に行かないか?」
母「日本代表の選手にも会えるわよ!どう?行く?」
輝姫「そりゃあ行きたいけど…、仕事は?今、忙しいでしょ?」
父「大丈夫だ。折角の輝姫の誕生日なんだから、皆でお祝いしよう。」
輝姫「じゃあ行く!!絶対行く!!」

輝姫は誕生日を、それはそれは楽しみにしていた。


〜誕生日前日〜

輝姫「えっ…?サッカー試合…、見に行けなくなった…?」
母「えぇ…。来月あるはずの会議が、急に明日になってしまって…、とても大事な会議だから、どうしても行かなきゃいけないの。…ごめんなさい。」
輝姫「やだ…、」
母「輝姫?」
輝姫「やだ!!明日、お父さんとお母さんと試合見に行く!!私の約束の方が先だったもん!!」

いつもの輝姫なら諦めていたが、今回だけは違った。

輝姫「絶対、試合見に行く!!会議には行かせないんだから!!」

輝姫は泣きながら叫んだ。その時、ずっと黙って座っていた父が立ち上がった。

父「会議の時間を明後日にして貰おう。輝姫の約束が先だったからな。」
母「でも…、」
父「輝姫には、いつも寂しい思いをさせている…。誕生日位、我儘を聞いてやろうじゃないか。」
母「…そうね。会議はやり直せるけど、輝姫の誕生日は1年に一度だけだものね。」
輝姫「お父さん…、お母さん…、ありがとう!!」


〜翌日〜

輝姫はお気に入りのピンクのワンピースを着ていた。

輝姫「お母さん!お父さん!早く早く!!」
母「そんなに急かさなくても、試合は1時間後よ?」
輝姫「だって、一番良い席で見たいんだもん!!」
父「おっ、リュミも一緒か!」
輝姫「うん!リュミも大切な家族だもん!!」


〜スタジアム〜

母「意外と混んでるわね…。」
輝姫「早くきて正解だったでしょ?」
父「そうだな。」

その時、辺りが急に騒がしくなった。

男「危ない!!」

男の声に振り返ると、目の前までトラックが迫ってきていた。次の瞬間、3人の体が宙に浮いた。輝姫は運よく茂みの中に飛ばされた。

輝姫「リュミ…、大丈夫…?」

リュミは輝姫の腕の中でモゾモゾと動いた。

輝姫「そうだ…!!お父さんとお母さんは?!」

輝姫は急いで茂みから出た。

男「2人とも、息をしてないぞ!!急いで救急車を!!」
女「貴女、あのご夫婦の子供ね!怪我はない?!」
輝姫「あ、あの、お父さんとお母さんは?!」

輝姫は人混みを掻き分け、父と母の所に向かう。やっとのことでつくと、そこには血を流して倒れている父と母の姿が。

輝姫「お父さん!!!お母さん!!!」

輝姫は悲鳴に近い声で叫び、意識を失った。


輝姫が意識を取り戻したのは翌日だった。

輝姫「…んっ…、」
太陽「輝姫!!」

病室には太陽と直紀、太陽の両親がいた。

輝姫「太陽…?ここは…?」
太陽「稲妻総合病院だよ。輝姫、トラックに撥ねられたって…。でも、怪我が無くて良かったよ。」
輝姫「…そうだ…。昨日、私の誕生日で…、お父さんとお母さんとサッカーの試合を見に行こうとして…、それで…、」

その時、輝姫はハッとした。

輝姫「お父さんとお母さんは?!どこか別の部屋にいるんでしょ?!」
太陽母「…輝姫ちゃん、落ち着いて聞いて。貴女のご両親は…、今朝、亡くなったの。」
輝姫「う…、そ…、」

それは、10歳の輝姫には重過ぎる現実だった。

輝姫「私のせいだ…!!私が我儘言ったから…!!私が…、私がお父さんとお母さんを殺したんだ…!!」


太陽「…そんなことが…、」
直紀「それ以来、輝姫はサッカーを止めた…。自分がサッカーをやれば、また大切な人が傷つくから…、って。」
ティアラ「それから輝姫は、ドイツに住む伯父の家に引き取られた。でも…、伯父達は白炎家の財産目当てで輝姫を引き取った。輝姫はドイツで、とても酷い仕打ちを受けていたみたい…。」
太陽「…僕、輝姫のこと、全然分かってなかった…。それなのに、何回もサッカーに誘って…、輝姫のこと、傷つけてた…。」
直紀「太陽…。」
太陽「輝姫は大切な人を失う辛さをよく知ってるのに…。それなのに僕、輝姫に酷いこと言った…。」

それから沈黙が続く。沈黙を破ったのは太陽だった。

太陽「…ティアラさん、お願いがあります。」
ティアラ「何?」
太陽「僕、今度のホーリーロード準決勝に出場するんです。それで…、輝姫に試合を見に来てほしいって伝えて下さい。」
ティアラ「分かった。必ず伝えておくね。」




***
姫佳「輝姫の過去がようやく明らかになりました!次回から新雲戦です!…えっ?後書きが少ないって?すみません!!では、コメント待ってます!!」