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＊間接キス①＊
†ヒメコ視点†

　アタシらは温泉饅頭のどれを買うか悩んどった。

「うーん…」

餡もええんよなあ…。やっぱ定番やし、うまいちゅーことは分かっとるしな。
　せやけど、抹茶てゆーのも食べてみたいて思うし…。だからと言うて、白餡も捨て切れへんねん……。
　ボッスンは何を買うんやろ？
　アタシは気になって、ボッスンに聞いてみた。

「なぁボッスン？」

「あ？」

「アンタは何味買うんや？」

「あー、やっぱ餡かな」

「そか。せや、アタシ抹茶買うから後で一口もろてもええか？」

せやったらどっちも食べれるやろ。白餡はしゃーないけど…。

「別に良いぜ」




†サーヤ視点†

　え、ちょ、待ってぇえええ！！
　えっと、今ヒメコちゃん何気なく言ってたけど、それってつまり…………。

　か、かかかか間接…キス？

「んがぁああああ！？」

「おわっ！？おいサーヤどうしたんだよ！？（超ビビったぁ！！）」

「へっ！？べつにっ」

うわー何いきなり叫んじゃってんのあたし！？
　うぅ…でももしかしてヒメコちゃん気付いてない……？
　ちらっとヒメコちゃんを見ると、特に変わった様子は見られなくて、やっぱり気付いてないみたいだった。
　ちょっとあざといかもしれないけど……。

「あ、あたしは白餡買おうっかな〜……。あたしもボッスンの一口貰っても良いかな……？」

よく頑張ったあたし！
　今あたしは自分を誉めたくてしかたないよ！！

「あっ、あ、ヒメコちゃんも良いかなっ」

でもちょっと惜しい……！

「良いぜ」

「アタシもええよー。あ、アタシも白餡食べてもええ？」

「うんっ」

疑われてないだけ、良いかな？


　………………ボッスンと………間接キス！！！