二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.137 )
日時: 2013/01/05 01:33
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: 4HUso7p7)
参照: 第五篇/Fight after Supper (虚像は実像を越え得る)

 ぐるりと辺りを見回して、メンバーの中に、使い手の姿を探す。あまり使えそうなキャラが居ないなあ、などと思っていた矢先、ぞろぞろと玄関から出てきた一同の先頭に、我等がスマブラリーダーの姿が見えた。
 「これは、どうも——中のお二人さん、酔って言い合いって風情じゃあなさそうだけども。マスターも連れて出てるってことは、結構マズい事態だって思っていいんだね?」
 「マズいどころか、早く止めねーと屋敷が木っ端みじんになっちまうぜ」
 ドンキーの声を受けて、リーダーマリオは目を閉じる。そしてすぐ開くと、私の方に顔を向けた。
 一つ大きく頷いたのは、実験台になってやる、と言う意思表明だろうか。ならばと私も首肯して、ベストのポケットからコントローラーを引っ張り出した。今こそマイコントローラーの真価が問われるときだ。ボスバトルのゲキむずを回復アイテムなしでクリアした実力、見せてやろうじゃないか。
 「せー、のっ」
 鍵を後頭部の辺りに光っていた『端子』と繋げ、重量級キャラの助けを借りて、肩車の姿勢を作る。ゲーム画面のマリオはやたら動くから酔わないか心配だったが、どうやらこっちではそう言う無駄な動きはしないらしい。直立不動、無言の彼へ、私は一番気に掛かっていたことを問うた。
 「お、重くないですか?」
 「大丈夫。全然感じないよ」
 答える声にはやや覇気がない。やっぱり思い通りに身体が動かない、と言うのは厭なことのようだ。
 一応軽くコントローラーを操作してみる。3Dスティックの左右倒し・弾きは普通に左右への歩きと走りらしい。が、何時の間にプログラムを弄られたのか、上下倒し・弾きは前方と後方への歩きと走りに成り代わっていた。その代わりジャンプがYボタンに変わり、しゃがみは十字キー下に変更されている。
 何とも不思議なボタン配置ではあるものの、違和感は少なめ。攻撃は実戦で頑張ってみるとして、私はスネークが再び開けてくれた窓から、一気に戦場へと突っ込んだ。

To be continued...

シリアスなのにシュールな光景。
生真面目な顔してファイターが小夜子さんを肩車する、そんなシリアスな笑いこそがチート武器の醍醐味。