二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.27 )
- 日時: 2012/09/15 02:37
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: x40/.lqv)
- 参照: 第七篇/Good Night. (とりあえず、明日へ行こう。)
本の山を崩さないようにと歩いたお陰で、作業机の傍まで行くのに、随分時間が掛かってしまった。
これほど広い部屋なのに、本が場所を取りすぎて、居住空間は六畳間分くらいしかない。整理整頓は見事なほど徹底しているけれども、本のお陰で圧迫感は満点。移動しにくいことも相まって、何となく私には居心地の悪い部屋だ。まあ、一週間だけだし辛抱しよう。
「好きなようにして構わんよ」
何の感慨も無く言われて少し腰が引けてしまったが、男の部屋に入ることもそこのベッドで寝ることも特に抵抗はない。どっと疲労が押し寄せてきたこともあり、私は靴を脱ぎ捨て布団に飛び込んだ。
うはっ、寝心地いい布団。きっと高級だな。うらやましいぞ!
眠気の中、ぐだぐだと考え事をしている内に、はたと気付く。
「何であたし、靴はいてるんだろ。って、これあたしのじゃない! あれ、服も!?」
私が脱ぎ飛ばしたのは、黒い革靴。言っておくが、金欠な私は履き古しまくったスニーカーと突っかけサンダル以外の靴は一切持っていない。ちなみに、一人暮らしなので家族はいない。
服装しかり。真夏の午後三時、クーラーの無い部屋の中で、私はシャツと半ズボン一丁でゲームに没頭していたのだ。それが今はブラウスにヘリンボーンツイルの茶色いベストとデニムの長ズボンと言う、何処かのウェイターか何かみたいな格好になっている。どういうことじゃこりゃ一体。
耳からハテナが溢れそうになった所で、机にへばりついたドクターがおもむろに声を上げた。
「そいつは皆マスターのお手製だよ。『あちら』から『こちら』への干渉はかなり力を使う。いかな神様とは言えども、『こっち』に転送できるのは本人と身に着けているものが限界なんだってさ」
身に着けていなかったモノは全部創ったということか。創造神らしいっちゃ創造神らしいが。
「何でこんなこと知ってるんですか?」
「こんなことは他の誰もが知ってるよ。それに、貴女自身も知っているだろう? 無知は貴女だけだと」
おっとりした声質は変わらないのに、どこか威圧めいたものを感じて、私は何も言えなくなってしまう。
……とにかく、今日は何も考えずに寝とけ。
そう頭の片隅でせかされて、私は頭から布団を被った。
Chapter Zero Comprete!
But to be continued...
ドタバタの第一日目、終わり。
大体一章で一日が過ぎるくらいののんびりペースです。
くそう、これじゃあ小夜子さんが自室を持つまでに七章も掛かってしまう……!!