二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.42 )
日時: 2012/09/26 18:30
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
参照: 第三篇/I'm a not Fighter...yet (ヒヨッ子は見てるだけ。まだ。)

 跳ね上がる心臓を落ち着け、喉の奥から上がりそうになる引き攣った悲鳴を抑えて、冷静な私がとりあえず辺りを見回せと命じてくる。こんな時にまで冷静沈着なのが全くしゃくだが、とりあえず誰にも気付かれないよう息を殺し、私は眼だけで周りを見渡してみた。
 暗く狭いその中には、真新しい救急セットが五セットと、何故か弓矢のセットがあった。しかもそれは縦が二メートルもある和弓ではなく、スタビライザーや照準器が付いたアーチェリー用の奴だ。そして、矢筒に入った一ダースの矢は、鏃があろうとなかろうと殺傷力を持てる。こんな事態を危惧して置かれたようにしか、私には見えない。
 思わず眉をひそめていると、不意に受信機が絶叫を上げた。
 「ッ!?」
 咄嗟に音の出ている所を手で覆い隠し、早々にエンターを押して音を止める。幸い、外の方は受信機の着信音よりも大きな轟音や爆音が鳴り響いており、気付いていないようだ。
 こんな時に一体なんだ、と半ば憤りながら、恐る恐る画面を開く。
 受信件数二件。一つはマスターで、もう一つは子供勢代表、ネス。ネスの方には「Now We’re in the north forest!」と件名が書かれている。しかしとりあえず、一番上にあるマスターの方から見た。

 『Thank you for worrying. I’m OK.
 By the way, your controller’s key can close the lid of a lumber room.
 Use effectively.
 (心配ありがとう、私は大丈夫。
 ところで、コントローラーのカギは物置のフタを閉められるぞ。
 いいように使ってくれ。)』

 このタイミングでこのメール……もしや、私達のことはこっそり見えてるんじゃないのか?
 もしそうなら何やってんだ、助けろよ! このヘタレッ!
 頭の中で手袋状態のマスターをフルボッコにし、ついでに収納の蓋を閉めてから、ネスのメールを開く。

 『There is a CRAZY HAND!! Escape from mansion as fast as you can!!』
 (クレイジーハンドがいる、屋敷から逃げて、出来るだけ早く!)』

 この文章を見た今なら、リンクが警戒した透明な気配の正体が、分かる。
 ……この鼓膜が破れそうなほどの爆音を発しているのが、きっと破壊神なのだ。私は眼を閉じ、激しく波打つ心臓を右手で押さえ、細く細く息を吐いて、ネスのメールにそっと返信した。

To be continued...

クレイジーハンド登場。ただしまだ姿は拝めません。

ちなみに、ごみ箱下の収納は基本的に医療器具入れ。
必要なときにマリオとかが引っ張り出して使えばいいと思うよ。