二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.43 )
- 日時: 2012/09/27 00:09
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
- 参照: 第三篇/I'm a not Fighter...yet (ヒヨッ子は見てるだけ。まだ。)
『Impossible』
送信した瞬間。
搾り出すような叫び声が私の頭上を通過して、木材が盛大になぎ倒される大音声が響き渡った。心臓がより一層大きく跳ね上がって、冷や汗がどっと吹き出る。頭に上る血の量が増え、ひもか何かで締め付けられるような感覚が、ずっしりとこめかみを襲った。
『あっち』で、見るものはほとんど見てきている。
血も見たし内臓も見た。首が胴体から離れる瞬間も、今まで笑っていた友達がいきなりぶくぶくと泡を吹いて死んでいくのも、あらゆる凄まじきことはとうの昔に体験して、心はすっかりそれに慣れてしまったと思っていた。
だが、私を今包むのは、底知れない不安と恐怖。
『あっち』で体験したものの、あの白い空間で感じたものの比ではない。
限りなく研ぎ澄まされた殺意に身を晒したとき、人は一瞬、私と同じものを心中に覚えるだろう。そしてその後は、殺意に耐えられなくなって狂うか、殺意が耐えられなくなって殺されるか。どっちにしろ、寝覚めの良い結末は迎えない。
膝を抱え、ひたすら私は早くこんなこと終わってしまえ、とだけ願い続ける。しかしその願いは虚しく空を切り、爆音は何時まで経っても止む気配すら見せない。それどころか、轟音はいよいよその大きさと切迫感を増し、上がる悲鳴の数はさっきよりも増えているように思えた。
——その時、私は見た。
自分の右手、その甲側の中指に、赤く光るものがあるのを。
『端子』の色以外に、何も無い右手が発光するものか。息を潜めつつ試しに鍵を刺してみたが、別に動きが固まるわけでなく、普通に動く。これは一体、どういう事なのだろう。
そこでふと、弓矢が目に留まった。
鏃の先が、僅かな赤い光を反射して光っている。
もし此処に予定調和をつかさどる神が居たならば、これを偶然とみなすか、それとも必然とみなすか。
——おそらく、必然だろう。
見るべきだったから見た。見つけるべきだったから見つけたのだ、私の眼は。
脳味噌がフル回転、数秒かかって、私の頭は一つの仮説を導き出した。
To be continued...
どんな生活を過去にしてきたんだよって話ですね小夜子さん。
そして小夜子さんにちょっとしたフラグが一本。