二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.58 )
- 日時: 2012/10/03 01:11
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
- 参照: 第四篇/Let's Cooking! & Fight!(サァ “大乱闘” イタシマショウ)
「薪(まき)は何処に?」
「そこの勝手口を出てすぐのところだ。鍵は開いてる」
両手でも持て余すボウルに野菜を片っ端から入れていきつつ、オリマーが答える。私はその足元にうずたかく積まれたジャガイモのダンボールをちょいと眺め、気付かれる前にとっとと外へ行くことにした。——身長九十センチとは中々、大変な生活を強いられるものだ。ご苦労様。
勝手口を開け、首を右へ。
見た先の煉瓦作り風な壁に沿って、白く乾いた薪が山と詰まれ、使われる機会を待っていた。とりあえず両脇に持てるだけ持ってくる。途中で何本か落としたが気にしては負けだ。
窯の前に六十本ほどの薪を積み上げ、十本中に放り込んで、特にささくれた一本を火点け用とする。もっと火を点き易く出来ないかとシンクの収納庫を開けてみたが、包丁しか入っていなかったので妥協した。
「ピクミーン、火をおねがーい」
「ひ? ひ……火!」
少し掛かって走ってきたのは、頭から白い花を咲かせた赤いピクミン。真っ赤なボディに高い鼻が目印だ。
よしよしいい子だ、とつるつるした頭をなでてやってから、ささくれた木を差し出してみる。首を傾げた赤ピクミンが小さく手を触れた途端、バチッと大きく爆ぜて木片が燃え出した。火力の高さにちょっとばかりぎょっとしてしまったが、気を取り直して窯の中にIN。薪はよく乾いており、勢いよく燃え始める。
燃えさかる火を囲み、ピクミンたちがキャンプファイヤーの真似事をし始めた。あな微笑まし。
「それだけだと、薪は足りないかもしれない」
どんっ、と叩きつけるように金属の鍋を私の隣に置き、オリマー隊長が一言。ふと見た巨大なずん胴鍋の中には、既に下ごしらえを終えたタマネギと肉がどっちゃりと山盛りになっており、炒めるためのバター塊が二つ、それらの中に埋もれている。何人前なのかも分からない、相変わらずのキモい量だ。
「新しい薪取って来ます」
「頼むよ」
立ち上がった私を一顧だにせず、新しい薪と鍋を窯の中に入れながら、オリマーは呟くように声を上げた。ピクミンたちの賑やかな声を背にして、私は再び勝手口の扉を開ける。
To be continued...
多分原作を知っている人は「?」だろうと思うので、長めに解説ー。
ウチのピクミンはスマブラ仕様なので、赤ピクミンはそう言う意思を持って何かに触れれば、火が点きます。火に放り込まれても平気。
また、意思があるくらいなのでそれなりに高い知能もあったりして。ちょっとだけなら自分の言葉で喋ります。
基本的にはオリマーさんの言うことを聞いてますが、善悪の観念が若干薄いので、言われたらその人のことも聞いちゃう感じ。ただしオリマーさんの命令が絶対優先。
オリマーさんの身長についてもスマブラに準拠しています。
流石に元体長が三センチのメンバーは、そのままじゃ動かせないです……。