二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第零章/The Strongest Fighter? ( No.6 )
日時: 2012/08/28 22:08
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: x40/.lqv)
参照: 第二篇/Nice to meet you. (まずは、「初めまして」から)

 「ミス・サヨコ。大丈夫かい?」
 空を眺めて歩いていると、不意に右横から声を投げかけられた。
 赤いシャツに青いオーバーオール、赤い帽子にヒゲ、そんでこのラテン臭い声と来たら、マリオしかいないだろう。とりあえず、他の二次創作で見るような猛々しい喋り方ではないらしい。それが少し安心だった。彼まで他のメンバーみたいに俺とか私とか言っていたら、私は怖くて誰にも近寄れない。
 「あたしは大丈夫です。さっきは怖かったけど、もう結構慣れました」
 「そうか、ならいいんだけれどね。ホラ、人ってさ、他人から聞かれたら大丈夫でもないのに「大丈夫だ」「心配要らない」って言いたがるから。僕等の世界は君の居た世界とは結構勝手が違うから、あんまり無理はしないようにね。それじゃ、僕は一足先に行ってるよ」
 優しい人なのは分かった。でもあまり立ち入りすぎるとピーチ姫のカンシャクが怖い。

 走り去っていく背を見届けて、ほっと一つ安堵の溜息。が、一難去ってまた一難。
 「サヨコさーん」
 背後から飛び掛るおっとりした声。振り返ってみれば、こちらもパジャマなアイスクライマー。私を呼んだのはその内女の子の方、ナナだ。余談だが、二人とも寝巻きに護身用のハンマーが似合ってない。
 「だいじょーぶですかー?」
 「うん、大丈夫」
 「それならいいんですー。あ、それとボクたちアイスクライマー。ボクがポポで、相棒のナナでーす」
 眩しいくらい純粋な笑顔のポポくんの方から、身振り手振りつきで説明が来た。
 「あっ、うん、ヨロシク、ヨロシク」
 二つ返事と生返事、あわせて生返事二つ。居酒屋のメニューかっ。
 「よろしくお願いしますー」
 知ってるんだ。友人の使い手が君らなんだ。複雑な気分だなあ。
 特に意味もなくほっぺたをぽりぽり掻いてみる。そこにナナちゃんの声。
 「そうそう、今日はワタシたち試合なんですー。良かったら身に来て下さいねー」
 うほ、マジか! ああ、スマブラストーリモード『亜空の使者』の、あの天空闘技場が見れるのか! ドキがムネムネするとはこういうことか。何言ってるんだ私。テンション上がりすぎだな。
 「絶対行く。絶対見に行くよそれっ」
 「うれしいですー。それじゃあ、約束ですよー!」
 最後は二人揃って喜びの舞。それからこの世界にもあるらしい指きりげんまんを一人ずつにして、ポポくんとナナちゃんはぱたぱた皆の後を追いかけていった。お友達に困ることはないかな、これで。

 ぬぼーっとして歩いていると、ぐいっとシャツの襟首を掴まれた。ぐえっ、と軽く踏み潰した蛙みたいな声が喉の奥から飛び出す。くそ、二難去って今度は三難めか。今日はぐっすり眠れそうだ。
 色々考えながら手の主を辿ると、大型の懐中電灯。ってことは……。
 「何やってんだあんた? オレたち追い抜かしたと思ったらサッサと玄関通り越しやがって」
 「あはは……ランバルディさんちっす」
 本名ファルコ・ランバルディ。
 「気持ち悪ィな、ファルコでいい」
 通称そうめん。
 遊撃隊『スターフォックス』の隊員だ。二次創作だとイジりキャラで定着してるが、ファルコでゲキむずボスバトルをハートのうつわなしでクリアした、マリオを極めた私ですら倒せない超絶な使い手を知っている私としては、ちょっと侮りがたきキジだったりする。
 「おら、こっちだよ。あんたが居なけりゃオレたちは寝れねえんだ、あんたも寝てえならとっととしろ」
 「うへへぇ」
 襟首をむんずと掴んだまま、ファルコは私をズルズルと玄関口まで引っ張ってくる。日本のと違って靴は脱がなくていいらしい。その代わり玄関前のマットで一応靴の汚れを落として、私は遂にスマブラメンバーの住む屋敷の中に潜入したのだった。

To be continued...

とりあえずマリオ、アイクラ、そうめ(ryファルコ登場。
ミスター任天堂の一人称が「僕」ってのは、実は結構珍しいんじゃなかろうか。