二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.86 )
- 日時: 2012/11/08 23:18
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
- 参照: 第二篇/Silent Saneness (狂者は嗤い乍ら泣き喚く)
一昨日、昨日、今朝と色々なことがあり過ぎている。
心身疲れ切っていた私は、パンにバターを塗ったモノと紅茶だけを収め、昨日の朝っぱらに頭突きをかましたピカチュウから「おわび」と何故かデクの実を貰った後、初めて屋敷の外へ出てみることにした。
「えーと……こうか」
受信機で最初に受け取ったメールの添付地図を開き、コントロールキーを押しながら画面をタッチ。ホログラム画像を出し、それを参照しながら道を歩む。「大まか」などと言っておきながら、地図はとんでもなく細かい道まできちんと記されており、ホログラム上では私の居る位置までも分かるようになっていた。
親切なことはこの上もなくありがたいのだが、ここまで親身にされると却って不気味だ。マスターはこれが当たり前だと思っているようだから、見返りなどという野暮なものは求めないだろうけれども——『あっち』で豚のように貪欲な人間を何人も見てきたばかりに、そんなことを彼にも疑ってしまう。
しかし疲弊したノーミソは、それから先の思考をどうしても許したくないらしい。思考の糸は繋がらず切れ、取り留めのない、断片的な記憶と考察ばかりが頭に浮かんでは消える。思わず溜息が漏れた。
溢れ出そうになった雑念を振り切り、辺りを一度ぐるりと見渡してみる。
現在地は屋敷近くの森。大して広くもない視界に入るのは、溜息が出んばかりに広大なドングリ系広葉樹林と、恐らくは意図的に植えられたのであろう道脇の照葉樹。コレだけの広さがありつつもスギやヒノキが全くないというのは、メンバーの中に花粉症の奴がいるということなのだろうか。
「ヨッシーアイランドじゃないんだからさ……」
ゲームにありそうな矢印看板を無視し、私はあえて、より暗くより狭い道へと入ってみる。
安全な道ばかり選ぶのはやっぱり面白くない。人生にとびきりのスリルを求めてしまうのは人間の本能だと個人的には思っているのだが、これを言うと皆変な顔をするのだ。
私が変な奴とでも言いたいのだろうか? ジェットコースターには好き好んで乗るくせに。
To be continued...
小夜子さん、外に出るの巻。舞台が随分あっさり変わりましたが、彼女は元々から超健全な優等生ですゆえ(´・ω・)
そして完全にタイトルオチしているような気がしないでもないタイトル。
彼はもっと先の方で出てくるかと思われますので、2828しながらお待ちください。