二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.89 )
日時: 2012/11/13 22:49
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
参照: 第二篇/Silent Saneness (狂者は嗤い乍ら泣き喚く)

 結局、私は助けようとしていた人から湖畔まで引っ張り出された。
 私は腰まで伸びた髪の毛の水を切りつつ立ち上がったが、肝心要のその人、濡羽色の短髪と真っ白な貫頭衣姿のイケメンは、がっくりと項垂れ、咳き込みながらその場で四つん這いになっている。今気付いたが、この人傷だらけじゃないか。そんなんでよく泳げたな、私を抱えて。
 「助かった……すまん」
 私の方は一顧だにせず、投げかけられるしゃがれた声。やや甲高い声質の問題もそうだが、早口なこと、声の調子がひどく暗いことも相まって、ものすごく聞き取りづらい。それでも何とか聞き取って、私は座りながら、冷静な方の頭をフル回転させつつ、何とか声を張り上げる。
 「いえ、そんな大したことは。ところで、貴方は?」
 彼は上ずった私の問いかけに、しばらく何も答えなかった。
 漂う沈黙の間に、体制を四つん這いから胡坐に変える。長すぎるほどの前髪から間断なく雫が滴り落ち、その隙間から、闇を湛える黄金色の瞳が私を睨んでいた。その奥に僅か垣間見えたものに、私が言葉を詰まらせるのと同時、その人が返答する。
 「先に言えよ」
 「あっ。え、えーと——小夜子、と言います。小さな夜の子で、サヨコ」
 しどろもどろ。失態を犯した子供に対するような、見下した笑みをその人は少しだけ浮かべた。
 「ははァ、あんたがそうか……ま、いい。俺ァな、破壊神だ」

 は?

To be continued...

随分長いこと引っ張ってきましたが、ようやく登場しました。
破壊神、クレイジーハンド。

彼についてはもう語りつくせないほど沢山の設定があるのですが、それは本編でおいおい明かしていくことにしましょう。
物語はこれからです。