二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.96 )
- 日時: 2012/11/22 01:23
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: 4HUso7p7)
- 参照: 第二篇/Silent Saneness (狂者は嗤い乍ら泣き喚く)
矢継ぎ早に投げつけられる問い。私は、それに自信を持って返そう。
「だから言ったじゃないですか、「私」の中にはもう一人居るんだって。それに、今あたしがこうして此処にいるってことは、貴方怒ってないんでしょう?」
「……まァな。お前みたいな奴、怒ってもキリがねーしよ」
やっぱり何だか寂しそうだ。
「そう、だな——」
積もる静謐を振り払い、クレイジーは何度か首を横に振ると、うやむやになっていた質問に答えを返してきた。今までの狂気を含んだ声ではない、限りなく感情を抑えて掠れた、低い声だ。
「多分、俺に聞く辺り兄貴からは何も聞いてねェだろうよ。ま、ありゃ何十年前の話だったっけな——俺と兄貴にゃ、共通の恋人が居たんだよ。……ロンリーって言ってよ、孤独な奴だった。神の端くれだったが闘う力もなく、何もかもから嫌われまくってて、その癖いつも笑ってやがった。それが幸せと言わんばかりにな」
一瞬どきりとした。弓に刻まれた、あの名を発したのだ。
しかしあえて口を閉ざした私を一瞥して、クレイジーは話を続ける。
「俺も兄貴も、そいつの笑う顔が好きだったんだ。あいつも嬉しそうだったよ、誰に何やっても邪険に扱われる中で、俺たちだけは普通に接してくれるんだからな。俺も……正直、惚れてた」
少しだけ照れくさそうに笑って、また頭を掻き回す。
嫌われてきた人の気持ち、よく分かる。私もこの二重人格のせいで随分嫌われてきたから、彼氏のさり気ない一挙一動は、たまらなく嬉しかった。私が彼にどんな感じで映っていたのかは知らないけれども、かれこれ五年も縁が続いているのなら、きっと好印象で受け取られているのだろう。
リア充末永く爆発しろ? リア充と末永くだけ頂いておく。
To be continued...
「狙う側」から見た世界の滅亡について、序盤。
話の根幹に恋愛が絡むのは、私の作品だとこれが初めてです。
そして小夜子さんが遂にチートリア充へ昇格しました。