二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.183 )
- 日時: 2012/10/15 07:17
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第9章 リンの様子に違和感を感じたバン・・・その複雑な心境とは?
(ストーリーモード:バン)
1週間前に起こった出来事を境にバンは悩みを抱えるようになってしまった。
リンに対する悩みを抱えるようになり、俺はその悩みによるストレスを解消するために毎晩、居酒屋で酒を飲むようになった。
「バン、飲み過ぎ!」
幼馴染の船津直紀に咎められてしまい、カウンター席に座って飲んでいる。
飲み過ぎだと言えるし、酔っ払ってばかりじゃいられない。
「うるせえ、何をしようが・・・・・・俺の勝手だろォー!」
「バン・・・・・・」
こりゃ重症だと思いながら気遣ったのだろうか、直紀の考えは分かっていた。
直紀は俺に優しく話しかけながら、酒を煽る。
「悩み事があるなら、僕に話してよ」
「おまえに話してさぁ・・・・・・何が分かるんだよ」
ヒックと呻きながら、酒を煽る。直紀は溜息をつきながら呆れた。
俺の気持ちを汲み取っているつもりかもしれないけど、直紀は幼馴染だから仲が良い方だ。
「バン・・・・・・」
「まあ、良いさ・・・・・・飲み明かそうぜ」
「酔い潰れるまで? 僕は無理だよ」
「おーそうか、だったら俺は飲みまくる」
「はぁ・・・・・・」
直紀は呆れながら、俺を見て溜息をついた。
これが飲まずにいられるか、飲んでなきゃダメなんだ。
分かっていても、飲んでも飲まれるなということを肝に銘じていた。
「さあ、飲むぞォ〜」
ヒックと呻きながら、酒を飲みまくった。
一方、直紀は心配そうにゆっくり飲みながら、温かく見守っている。
(どうにかならんのか、バンの酒癖・・・・・・)
直紀は怪訝そうに見つめながら、溜息をついていた。
酒癖の悪さは有名だと言っていいくらいだが、幼馴染が荒れて飲みまくってる姿を見守るしかない。
そんな幼馴染の様子を見て、こんなになるまで荒れたのは初めてだろう。
その帰り道、いつものように飲んだくれた俺は千鳥足でふらつきながら歩いていた。
「ちょっと飲み過ぎたかな・・・」
そう言って呟いた俺はヒックと呻いた後、千鳥足で歩きながら、ヨロッとふらつくのを感じた。
それで、バランスを崩さないようにして保ったまま、何とか自力で歩けるようになるのがやっとだった。
(リンのヤツ、どうしちまったんだよ・・・)
リンのヤツ、あの出来事が起きたその日から様子がおかしい。そんな彼女を見て放っとくことができなかった。
俺は心配そうに優しく話しかけてみたが・・・相変わらず、黙りこくりながらもうなだれたままだった。
その一方で弟の健太や直太と話す時はいつものように明るく元気そうに楽しくふざけながら遊んでいた・・・けど、何か気になっていて仕方がない。
(何か言いたいことがあるんなら言えば良いのにな・・・)
それを思うと・・・正直、はっきり言っても不安でならなかった。
毎晩、俺が酒を飲んで帰ってくるたびに弟の健太が夜遅くまで待っていてくれることが多く、嫌な顔をせずに温かく出迎えてくれた。
(健太には心配かけてばっかりだったな・・・)
ここ最近はリンとの会話が少なくなってきたせいか、どうしても話す気になれなかった。
リンは俺にとって大切な家族でありたいと思っている・・・妹のような存在感を示しているかのような感じだった。
その2日後の夜、いつものように居酒屋で酒を飲んでいた。
ヒロ&ハルと一緒に居酒屋を訪ね、日本酒を注文した。
「バン、飲み過ぎよ。何があったの?」
たまたま部活が休みになっていたこともあり、飲みに付き合ってくれたハルに窘められ、いつものように日本酒を飲んでいた。
お猪口に日本酒を注いで飲むと嫌なことを忘れられるような気がしてならなかった。
「おまえに話しても分かるかよォ・・・」
「バン・・・」
ハルは俺を見て、心配そうに呟きながらもヒロと顔を見合わせる。
そこにいたヒロは日本酒を飲みながら、ゆっくり見守っていた。
「バンさん・・・」
これじゃ、何があったのか分からないという状況だ。
ヒロは気になったのか、俺に質問した。
「バンさん、何があったんですか?」
「おまえらに俺の気持ちが分かるかぁ・・・」
ヒックと呻きながら、日本酒の入ったお猪口を飲み干す。
どうやら、リンとケンカした可能性が高いようだ。
ハルは俺を見て心配そうに見つめている。
「どうやら、悩んでいることは確かのようね・・・」
「あぁ?」
日本酒をお猪口に注ごうとした時、ハルを見た。
ヒロも頷き、日本酒を飲みながら煽った。
「でも、バンさん・・・リンちゃんのことは聞きました」
「えっ、何で知って・・・・・・」
ヒロは昨日、大学でハルに会って話を聞いたのだという。
その時にリンが高校の友人と一緒に廃墟ビル方面に向かったのを目撃したという話を聞いて知ったそうだ。
「その帰り道、リンちゃんに何か言ったんじゃないですか?」
ヒロに咎められ、何も言えないでいた。
ハルやヒロは直太のことを知っていたので、2人に話せば分かるかもしれない。
「いや、別に何も言ってないよ・・・」
そう言った後、グイッと飲み干した。
図星だと諭されたくないので、冷静に落ち着かなきゃいけない。
(こんなこと話しても分かるかよォ・・・・・・)
こればかりは言えない・・・でも、2人に相談しても言えるわけじゃないだろう。
リンのことを考えるあまり、どうしても飲み過ぎてしまう。
気を紛らわすために酒を飲んで泥酔するまで飲むしかなく、考え事をしていても思い出したくない。
「・・・・・・」
ハルはヒロと顔を見合わせる。
こりゃ、重症だと悟ったのか仕方ないと思ったのだろう。
そんな俺の気持ちが分かるかよ・・・まぁ、ひたすら酔い潰れるまで飲むしかなかった。
「酒浸りになって・・・大丈夫かな」
「うーん、重症のようですねぇ・・・」
ハルとヒロの会話が聞こえてきたのか、俺はキッと睨みつけた。
俺の視線に気付いた2人はビクッと怯えた。
「何が重症だってんだよ・・・俺はそんなになってないぞォ〜?」
「だって、酒浸りになってるからさぁ・・・こればっかりは重症だなっていうのが私らの感想なんだけど?」
ハルに突っ込まれ、仕方なく飲み干した。
酒浸りかぁ・・・確かによく考えたら、最近は殆ど酒を飲んで帰ってくることが多くなった。
それでも、ハルはたまたま付き合うと言ってくれたけど・・・大好きな酒を飲むと落ち着いていられるのだろう。
「別に良いじゃないか、俺のこと放っとけば?」
そう言い放つとハルはヒロと顔を見合わせた。
こりゃ、また重症だと思い込んだようだ。
2時間が経過した頃には酔い潰れ、テーブルに突っ伏して寝ていた。
そんな俺の肩を優しく揺すりながら起こしてくれた。
「バン、起きてよ」
ユサユサと肩を揺らしながら起こす声を聞く。きっとハルだろうか。
眠そうに身じろぎながら、声を発した。
「んぅ・・・もうちょっとぉ・・・」
テーブルに突っ伏したまま、気持ち良さそうに寝ていた俺の肩を強く揺らした。
それを感じたのか、俺は眠そうに目を開ける。
「・・・んー・・・・・・・?」
ボンヤリとした視界にハルの姿が映る。
ヒロも心配そうに覗きながら、俺を気遣っていた。
「バンさん、大丈夫ですか?」
「あぁ・・・・・・」
「バン、帰ろうよ」
目の前にいるハルが心配そうに覗き込みながら話しかけてくれた。
ヒロが手を差し出しながら、俺を起こしてくれる。
「バンさん、大丈夫ですか? 肩を貸してあげますよ」
「おぉ、サンキュ・・・ヒック」
ふらつきながら立ち上がり、ヒロの肩に左手を乗せて歩いた。
ハルが代わりにお金を払ってくれたので、俺たちは居酒屋を出た。
「ウィ・・・」
「バン、大丈夫?」
飲み過ぎたのか、ふらつくのは気のせいだろうか。
ヒロが心配そうに話しかける。
「バンさん、悩んだままじゃダメですよ」
「うるせぇ・・・」
ヒックと呻きながら歩く俺を支えながらサポートしてくれる後輩のヒロ、幼馴染のハルがいるから安心できたのだろう。