二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.207 )
日時: 2012/10/16 20:20
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第9章の続き

(ストーリーモード:ハル)

翌朝、チュンチュンと雀の鳴く声が聞こえる。
その声を聞いて、ムクリとゆっくり起き上がった。

「んー・・・・・・」

ボンヤリと視界が写り、バンの部屋だと言うことに気付いた。
周りを見回すと、カーテンの隙間から太陽の光が差し込まれている。

「あれ、何で私はここで寝てんの?」

ソファベッドで寝ていたことに気付き、何が起きたのか分からなかった。
昨夜の記憶を手繰り寄せながら思い出そうとする。

(確か、バンの話を聞いたんだ。その後、リンと仲直りしたところまでは覚えてるけど・・・・・・)

昨夜はバンに付き合って、ヒロと一緒に居酒屋で酒を飲んだ。
バンを起こして、ヒロと一緒に自宅まで送り届けたところまでは良かったけど・・・・・・バンの家に泊まりたいと言い出したのは覚えていた。

(そういえば、バンに承諾してもらって泊まりに来たんだ。バンの部屋で話を聞いて、リンたちと別れたところまでは良かった)

寝る前に何かブチキレて、バンを殴ったような気がする。
何かケンカしたような覚えがあるけど、その後の記憶が全くない。

「うーん・・・・・・」

寝る前後の記憶を探ろうとするにも心当たりがない。
何か飲んだような覚えはある・・・・・・でも、バンはまだ寝ているから起こそうか悩んだ。

「うーん・・・・・・何かしたっけ、私・・・・・っ!?」

二日酔いのダメージを受けたのか、頭痛が来た。
やっぱり飲み過ぎたのかなぁ・・・・・・っていうか、その記憶がなくて困っていた。

「痛っ!」

頭を抱えながら、顔を顰める。あまりの痛さに衝撃を受けた。
こんなになるまではなかったはずなのに、どういうことだ?

「くっそォ・・・・・・」

自分のベッドで寝ているバンを起こそうかと思いながら、上半身を起こした。
バンのベッドに近寄って、視線に合わせるようにしてしゃがみこむ。

「すー・・・・・すかー・・・・・」

気持ち良さそうに寝息を立てている。その寝顔を見ると和んでしまう。
それに涎を垂らしているし、眠くてたまらないのだろうか。

「しょうがないな、もう・・・・・・痛っ!」

頭痛がまだ響く・・・・・・私、何をしでかしたんだろうか?
とりあえず、バンを起こさないといけない。

「バン、起きてよ」

ユサユサと背中を起こしてみると、バンはまだ起きない。
目を覚ますのが面倒なのか、うーんと唸る。

「うぅ・・・・・んー・・・・・・」

そう言って唸りながら、眠そうに答えながら寝入ってしまった。
話を聞きたいのに、目を覚まさないのはどういうつもりだ。

「ったく、ぶん殴るよ!」

左手で殴って起こそうとしたとき、ガシッと掴まれた。
よく見てみたら、バンの右手だった。眠そうに目を開けて握っていた。

「えっ・・・・・・」

目を丸くして驚きながら、動揺を隠せない。
そんな私の姿を見て、溜息をつくバン。

「おはよ、何で殴って起こそうとしてんだよ?」
「あ、いや・・・・・その、おはよー」

強く握られていて、ちょっと話を聞けそうにもないのか。
そう思っていた矢先、バンが眠そうに上半身を起こして呟いた。

「ハル、酒を飲んで寝ちまったんだよ」
「は?」

いきなり唐突な発言を繰り出すかと思えば、酒を飲んで寝たことがあったのか?

「え、私・・・・・・何か飲んじゃったの?」
「あれ、ハル・・・・・・もしかして覚えてない?」
「うん、怒ったところまでは覚えてる。でも、何か飲んだような気がする」

何か飲んだような記憶が残っていたので、そこはうっすらとしか思い出せない。
そんな私を見たバンは苦笑しながら、ポリポリと頭を掻いた。

「そっかぁ・・・・・・やっぱり覚えてないんだな」
「え、バンは覚えてんの?」
「ああ、昨日は酔いが覚めてたからな・・・・・・その時、ハルに殴られたのが効いたみたいでさ」

バンは苦笑しながら、ポリポリと頬を掻きながら話してくれた。
昨夜、プッツンとキレて怒ったらしい。理由は何でか分からないけど、いきなり平手打ちで頬を殴ったそうだ。

「いきなり、平手打ちで殴ってくるからビックリしたぜ。その後、冷蔵庫に行ってさ」
「冷蔵庫って・・・・・・バンの部屋にあるアレ?」

バンの部屋にある冷蔵庫を指差しながら質問する。
その質問を聞いた彼はコクリと頷きながら、溜息をついた。

「ああ。その後、何をしでかしたと思う?」
「何をしでかしたって・・・・・・・私が?」
「うん。焼酎の缶を取り出してさ、その後に開けて飲んでたぞ」

バンから焼酎の缶を飲み干したことを聞いて驚いた。
ゴミ箱を覗きながら見てみると、確かに焼酎の缶が空になっている。

「嘘でしょ・・・・・・」

顔を青ざめながら、うなだれてしまった。
まさか、焼酎を飲んで寝てしまうなんて・・・・・・今までにない経験だったから、この時点では何とも言えない。

「本当だって。その様子だと飲み過ぎちまったみたいだからな」
「そんなことが・・・・・・本当にごめん!」

バンに土下座しながら謝り、流石に反省するしかなかった。
とんでもない展開になっちゃったのは確かだし、どうしようもない。

「別に良いって・・・・・・気にしてないからさ」
「でも・・・・・・っ!」

両手で頭を抱えながら、バンのベッドにダイブして倒れ込んだ。
私を支えながら、心配そうに覗きこんでいるバン。

「大丈夫か、ハル?」
「もーダメ・・・・・・完全に2日酔いだわ」

いたたた・・・・・・と言いながら蹲る。
その様子を見たバンは溜息をつき、退かしてくれた。

「しょうがないな、まったく・・・・・・今日は俺のベッドでゆっくり休んでな」
「うん・・・・・・」

バンが毛布をかけてくれたので、ゆっくり休むことにした。
その後に迷惑をかけたのは、言うまでもない。